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カテゴリ:声がなくなるまで
某姫君のサイトで、一時話題になりましたが
『計画性のない男』って駄目ですね。 行き当たりばったりの立ち振る舞いでは この日々、変質してゆく時代の大海原に於いて 指針を失い途方に暮れること請け合いでございます。 では、僕の中古車選びを例に取って 「計画性」とは何たる物かを お見せすることにしましょう。 色々とあって、自家用車が必要となりました。 それまでは、父親の車を間借りして用事をこなしていたんですが チロルチョコを買いに行くのにも骨を折る田舎暮らしのこと・・ いずれは買う運命にあるのだからと 思い切って、購入に踏み切る事にしました。 「取り敢えず、最初の車だし 足以外に使う目的もないから中古車でいいや。」 しかし、数多に存在する中古車の中から 自分の条件に合った車を選ぶには 僕の知識はあまりに乏しすぎます。 子供の頃はミニカーを集めて悦に浸っていた僕でしたが 今や「セダン」を車の車種と思い込んでるほどの 体たらくっぷりです。 「これは僕が暴走しないために、オブザーバーが必要だ。」 ・・と、言う事で 早速、僕の交友関係の中で 最も車関係に詳しい友人の門戸を叩きました。 「壊れやすいとか、燃費が極端に悪いとか色々あるけど 取り敢えず、足に使うだけなら 自分の好みの車種を選んでも問題ないと思うよ。 悪い噂が立ってるなら、その都度教えてやるし・・。 後は、実際にお店に行って中古車の状態だとか その店の対応だとかを綿密にチェックしたほうが良いんだけど・・。 まぁ・・小難しい事は、俺に任せてもらって構わないよ。」 さすが、車好きが嵩じて 「命果てるまで」と、一緒に電柱に突貫し 心中しかけた彼の言葉には重みがあります。 さて無敵の司令塔を得た僕は この日から、彼と共に 自分の条件に見合った中古車探しに奔走しました。 ローンを組むのが嫌いな僕は、ニコニコ現金払い。 よって資金はある程度、制限されます。 僕が用意できる金額は、最高でも40万。 車を買うには心もとない金額ですが 逆境があってこそ燃えるというものです。 インターネットと中古車雑誌をフル活用し 情報収集に励みました。 条件に見合うものも、ちらほらと見つかりましたが 更なる好条件を、僕らは貪欲に追及します。 掘り出し物はないか~ 掘り出し物はないか~ 持ち主が必ず事故死する「イワクツキ恐怖車両」はないか~ ちょっとした、なまはげ気分です。 「まぐろは、どんな車が趣味なの?」 友人にふと聞かれて、僕は夢の淵に旅立ちました。 そうだな~♪ どうせ乗るなら、レトロな趣の車がいいいなぁ~♪ こんなのとかが好みなの~♪ あ・・でも、乗用車や保険代が税金が高くて 後々大変そうだから~♪ やっぱり軽四かな~♪ 軽四なら、逆に可愛いよりも厳しい風貌の方が好きかも~♪ じゃあ・・やっぱりRVだな~♪ こんなのも、こんなのも・・いいな~♪ 車を選んでいると、自分のだけの世界へ 逝ってしまうのは何故なんでしょう? 何だか、夢が広がります。 雑誌は買えるだけ買って ネットは潜れるトコだけ潜る 僕と友人の戦いが、数日続いたある日。。 こ、これは!! ついに見つかりました。 パジェロミニ フル装備・ワンオーナー・修復履歴なし 純正アルミ・CD・エアバック グリルガード・フォグ・背面タイヤ 走行距離8.8万キロ ポッキリ車・34万!! 「ポッキリって何?場末のキャバレーみたいな響きなんだけど」 「それ以上の手数料は要りませんってコトだよ。」 「車検は?車検は残ってるの?」 「ああ・・奇跡的に来年の夏まで有効だ。」 「いいの?これって買いの?」 「現物見ないと分からんが、価格なら相場よりも4・5万安いんじゃないかな?」 望み通りの掘り出し物を、見つけたと思った僕は 返す刀で、検品役の友人を引き連れ 中古車屋さんへ赴くことにしました。 目指すお店は、僕の住んでいる町よりも はるか県北に位置し 車で一時間以上掛かりましたが 始めて手にする自分の車が待つ先にあるかと思うと ドキドキ感で、時間はあっという間に流れて行きました。 ・・・。 ・・・。 ・・・。 ・・・。 中古車屋さんは、お休みでした(吐血) ネットで検索したお店のページには はっきりと『年中無休』と銘打ってたクセに 店員と思われる人の姿は、皆無でございます。 それでもこじんまりとしたお店なので セキュリティーの意識はないのか、敷地には柵も門もなく 自由に入ることが出来きます。 ご自由にご覧くださいと書かれた看板の通り 商品の側までも、簡単に進むことが出来ます。 あまりに開けた環境なので 「もしかしたら、店員さんは休憩中なのかもしれない。」 と信じることにして、僕らは一時間ばかり待つ事にしました。 ・・・。 ・・・。 ・・・。 ・・・。 幾ら待っても誰かに「いらっしゃいませ」と 言われる事もなく・・ 結局、僕はお目当ての車を前にして 『おあずけ』を喰らう事となったのでした。 「ま・・GW中だし、小さいトコは休むのかもね。」 「うう・・年中無休のくせに休むな~!! 新聞屋を見習え~!!」 僕の空しい叫びに答えるかの如く 何処かでカラスが鳴いたような気がしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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