北ノルウェーでタラ漁船に乗る3 【目が飛び出す魚達】
一応タラをメインに漁をしているのですが、もちろんタラ以外の魚達も網には掛ってくる。タラ以外に売れるのはアンコウとノルウェー語でuerという金目鯛とカサゴをあわせたよう形の赤い魚。このuer, 他の魚より弱く出来てるのか知らないけど、網からあげると、みんな水圧の変化に耐えられずお目目がプーンと風船のように膨れて飛び出してしまう。見事にほぼ全てのuerが目玉がはちきれんばかりの勢いで飛び出した状態で上がってくるの。中にははちきれちゃってるのもいるし、船酔いの上に、目玉が飛び出し、たまに口から内臓まで飛び出しちゃってるuerのオンパレードは目に入れる光景としては少々キツかったです(笑)とうてい写真を取る気にはなれませんでございましたわ・・・目が飛び出した魚って漫画でくらいしかみたことがなかったし・・・・後はエイとか、そのままフライにしたら美味しそうなカレイ、ヒラメの類の魚もかかり、大きなオヒョウも何匹も掛ったし、タラバガニも掛る。ただオヒョウは4月にならないと解禁せず、生きていても死んでいても海に戻さないといけない規則。タラバも然り。でもチェックしてる人がいるわけではないので(爆)家で食べる分はしっかりもらって帰りました。だって息絶えてる魚だし、そのまま捨てるほうが勿体無いもの で、家に帰って料理。タラバガニとオヒョウの肉厚な白身をふんだんにつかった日本のカレーでも私は長旅の疲れとこの乗船のせいで体調を崩しご飯も食べられずほんの一口味見しただけでダウンしました・・・【助け合いの精神・・・?】水揚げした魚は港の魚の加工場のようなところに運ばれるわけなんだが、ここで取った魚の量を測り、漁師に代金が支払われる。でもね、なんでみんな黙ってるか知らないんだけど、ここの人たち、平気でサバを読んでそれが何の問題もない顔してるの。この日の水揚げ、私だけじゃなくて船長が見ても1トンを優に超えていたのに加工場から渡された目方は784キロ。みんな必死で生活してるからしょうがないなんて、理屈は通用するのかな?漁師さんだって必死で魚を取ってるのに、150キロも200キロも目方を減らして漁師に伝え、その浮いた分を自分達の利益にしてるわけなんだけど、それを見事に毎回おやりになるわけで、何でそれを暗黙の了解として、正当な報酬が支払われていないにも係わらず、漁師側も黙って抗議すらしないのかが、外の人間の私にはわからなかった。聞けば持ちつ持たれつの関係だからこれでいいのだと。そういうふうにしておけば、いざとなったときに助け舟をすぐ出してもらえると。で、その漁夫の利は全然関係ない私に回ってきてしまった。さすがに彼が寝泊りしている船には泊まるところはないし、あったとしてもずっとユラユラしてるところに何日もいるのは無理。でホテルを探したが、さすがにこの時期開いているところが一軒しかなくしかもベルゲンのホテルより高い値段(一泊2万くらい)を吹っ掛けてきたのでどうしようかと思ってたところで、助け舟をだしてくれたのが、その加工場のおばさん。加工場の隣の家に寝泊りしたらいい、5日くらいだったらタダでいいわよ♪と一言でOK。 この家を自由に使わせてもらえたのでした。勿論私たちにはありがたかったし助かったし、おばさんの良心に感謝したわけなんだけど、何となく、これがもし毎回目方をずるしているお返しなのかと考えると何だか申し訳ない気分になってしまいました。