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カテゴリ:スポーツ
ダイワメジャー、天皇賞を勝ったんですねえ。
530kgという、ディープインパクトより90kg近く重いデカ馬なのに、気性面に問題があってG1をなかなか勝ちきれず、また左回りを苦手としていたから東京競馬場はどうかと思っていたのだが、諸々の課題を見事に克服した。ヤネが安藤克己というのも陣営には頼もしい材料だったかな。 けれど実力の割には人気がなかった。ダイワメジャーが勝つと見てたので、買っとけばよかったと後悔したが、2着入線の馬なんて絶対予想してないから、どのみち外れだろう。 横山典弘、先週の菊花賞2着に続き今週の天皇賞も2着。またも「G1・2着男」の片鱗を見せつけた。 レースを生では見てないのだが、JRAのホームページで映像も確認できるので繰り返し見てみた。 今回騎乗のスウィフトカレントという馬は、最近力をつけてきてはいたものの、決して本命・対抗に推されていたわけでもなし、7番人気という「中の上」程度の評価。 そういう目立たぬ穴馬を2着に押し上げてしまうくせに、本命馬をも2着に止めてしまう男、それがヨコテン。 古くは、1990年の有馬記念で、メジロライアンとのコンビでの、オグリキャップに次ぐ2着が印象深い。 ライアンはビッグレースでの2着3着が目立つ馬だったので、巷ではライアンに対して「あと一歩届かない馬」という印象が強く残っているようだが、なんのことはない。もしもヤネが岡部幸雄や武豊だったら、ライアンはもっとG1タイトルを取れていたんじゃないかとさえ思う。 だがそんなところが、なんともいえないヨコテンの魅力でもある。 彼から「2着、準優勝者の美しさ」を教えてもらったといっても過言ではない。 なんて書いても、本人は嬉しくないかもしれないが、もしかすると心の奥底では嬉しいのかもしれない。そんな気がする。 競馬という、タイトルを取らなければ四面楚歌に陥るような世界にいるにも関わらず、大事なレースで、ゴール直前ギリギリまでステッキを使わなかったり、といったギャンブルを彼は平気でやる。 野球で云えば、1アウト1塁で、送りバントで1点確実に取りにいくべき場面で、バントという選択肢は頭の中に全くなくて、ヒットエンドランしか狙わないのと同じである。 「ヘボ」とか「ヘタレ」とか云われようが、彼は愚直なまでにそういう大胆騎乗にこだわる。 どうも、そういうものを美学とする思考パターンは、「師匠」小島太(現調教師)の影響らしい。 なんだかんだ云って、そんなヨコテンもG1を勝つことはある。 1990年エリザベス女王杯、キョウエイタップに跨っての直線一気の追い込み勝ちは、胸を打った。 彼はそういう会心の勝利のあと、本当は嬉しいくせに、わざとそっけない素振りでインタビューに答える。 かと思うと、数年後の有馬記念をサクラローレルで圧勝のあと「デットーリジャンプ」などやったりもする。 そういうアンビバレントなところも、なんともヨコテンらしくてほほえましい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
October 29, 2006 08:29:09 PM
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