テーマ:小説書きさん!!(628)
カテゴリ:創作メモ
誰しも考えて、誰しも口にしない『ヒカルの碁』の後日譚です。
ちょっと間隔が開きましたけど、覚えていらっしゃいますか? 読み返してみたいな~というご奇特な御方は、是非下のトラックバックで、第一話から見直してやってください。ヨロ♪ちなみに 「ヒカ碁はヒカ碁。ヒカ碁以上のモノであってもそれ以下であってもいけない。ヒカ碁を冒涜する奴には、明日はない!!」 とお考えの貴兄には、このままブラウザバックをおすすめします。 ↓オッケーでしょうか↓ ↓だんだん、原作から離れてきてます↓ ↓すでに、異質な世界になってきていて↓ ↓妄想力だけで乗り切っていますな↓ ↓ではでは(^^)~↓ あかりちゃんは、ヒカルと上手くやっていきたいと思っていますが、ヒカルはあくまで囲碁中心で、水をあけられたかっこうになったアキラへの闘志がめらめらです。 でも、やっぱりあかりちゃんの存在は心のオアシスというか、心の中では信頼してるし慕っている。それを上手く表現できなかったり、言葉で表すことはできない。 照れ隠しで、素っ気なくしてしまったり、不器用な愛情をもてあまし気味です。 あかりちゃんも初めのうちはそれを黙って受け入れていました。 「しょうがない人だな」くらいのものだったのですが。 ある日、職場の先輩から告白され、勢いちょっとしたおつきあいっぽい感じになってしまい、彼女は二股かけるなんて思ってるわけじゃないけど、だんだん先輩の熱心なアプローチに心も動きそうになります(←ありがち)。 もちろんヒカルを愛しているし、将来も一緒にいたいと思う彼女。 でもヒカルはそれをなんとなく口にできない(照れもあるけど)まま。 そこへ微妙な先輩と璃緒の存在が、あかりちゃんを追いつめます。 親友でもある璃緒に、ついにあかりちゃんはすべてを話します。 あ「あのね・・・私、職場の先輩なんだけど。ある人からプロポーズされちゃって」 璃「え、本当?そんな」 璃緒は自分の気持ちに整理をつけていないまま、あかりちゃんとヒカルのつきあいを見守ってきただけに、この告白は衝撃的でした。もし、本当に彼女が親友でなくて、ヒカルにも愛されていなかったら、なにがなんでも璃緒自身が恋人になりたいとまで思うくらいにヒカルを慕っているのに、その当の本人が揺れていられては困るというのが本音。 あ「でね、早く返事が欲しいなんて言われてて。どうしたらいいと思う?」 あかりちゃんも、璃緒の事が気になって気になって仕方ないのは同じ。 いつの日か、ヒカルの自分への気持ちが冷めてしまったら、身近にいて熱心にヒカルを慕う璃緒に対してヒカルが心を移すかもしれない…という気持ちがないわけじゃないわけです。 大丈夫だと思っていますが、もし二人がそういう関係になってしまったら、自分の立場はないし、どうしようもなく悲しいことだから。 ある意味、ちょっとした牽制みたいな部分も含まれていた告白でした。 璃緒も、それは幽かに感じるわけで。 こうしてあかりちゃんから真剣に相談されたことで、自分とヒカルの関係を疑っているという気配をまざまざと見せつけられたと、女のカンが働きます。 つまり、璃緒の方でもあかりちゃんが揺れていることと、ヒカルを得るチャンスだという部分が妙にシンクロするわけで。 かなり、アブナイ展開です。 そして、あかりちゃんは深い苦悩に沈んだ顔で璃緒に言います。 あ「ヒカルは私を好きなのかな?」 その言葉を残して、あかりちゃんは璃緒の前を去りました。 璃緒もそれが一番知りたかったことですし、ヒカルがどう思っているのか、つきとめて精算したいという思う気持ちと、このまま知らないフリで同じ状況のまま、流れて行きたいという乙女心もあり。 かなり複雑な心理状態です。 ある雨の日、璃緒は決断します。 いつものように局後の検討を終えて、帰る璃緒を駅まで送るヒカル。 いつもは棋戦の話ばかりの二人ですが、なんとなく雰囲気が違うと、空気を読んでいます。 ヒ「どうしたんだ。この前の天元戦の負けが利いてるのか?あれは仕方ない。 相手が一枚も二枚も上手だったってことだしな」 璃「先生……先生はいつも棋戦のことばかりなんですね」 ヒ「ん?当たり前じゃないか。棋士は棋戦のことが一番だ。 何を置いてもそれが大事だしな」 璃「先生は、あかりちゃんが今どうなってるのかご存じですか」 今まで、囲碁のこと以外はあまり話さなかった璃緒から、突然妙なことを言い出されて、面食らうヒカル。確かにここ数週間、遊びにも来ないし(←それまでは定期的に来ていた)電話もかけてこなかったなぁと思いつきます。 真剣な目をして、まじまじと自分の顔を見られて、ヒカルも今まで師匠と弟子として遠ざけようとしていた璃緒の美しさとか可愛さに一瞬どぎまぎしてしまう。 ヒ「どうなっているって。別に何も変わらないじゃないか」 璃「あかりちゃんも私ももう24歳です。回りの友達の女の子たちはみんな、彼とか恋人との結婚を真剣に考えている歳なんですよ」 と、言われても男のヒカルにはピンときません。 璃「私なんて、いつも母にいつまでたっても恋人も出来ないし、結婚相手も見つけてこないから、お見合いしろお見合いしろってうるさくて。 もともと、母は棋士になることに反対でしたし、二十歳を超えたら棋士をやめて花嫁修業しろって言ったくらいですから。」 ヒ「そんなこと言われてたのか?璃緒が女流棋戦で活躍してることも知らないの?」 璃「棋戦のことなんて、母の頭にはありませんよ。 ただもう、私が言いだしたことはそれなりに聞いてあげるからって感じだけです。 高校卒業して、棋士の生活に入ったときも、『大学には行かないの?』って言ったくらいですもの。 私が大学へいって、その後家業の手伝いをやって会社を継がそうと思いこんでいたらしいですし。まあ、それは兄がいますから、かまわないんですけどね」 璃緒はヒカルを横目でみて、 璃「私のことはどうでもいいんです。あかりちゃんのことです」 ヒ「あかり?うーん」と渋るヒカル。 璃「彼女、今ある方と……結婚のお話があるらしいですよ」 その小さな呟き声を聞いて、ヒカルはびっくりします。まさか、自分以外の誰かの存在があるなんて全く考えていなかっただけに、晴天の霹靂です。 ヒ「え……まさかなぁ」 と、そこまで言って、ヒカルははっと気が付きます。 これはあかりちゃんと璃緒が二人でしくんで、ヒカルのことを迷わせようとしているんじゃないかと。自分が今まであかりちゃんに対してはっきりした言葉や態度を表さなかったので、この機会にあかりちゃんを優位にたたせて、頭が上がらないようにさせようとしているんじゃないか、なんてボケた事を考えます。 ヒ「騙されないぞ。そんなひっかけ」 璃「え?」 ヒ「お前たち何にか企ててるだろ。あかりが他のヤツとつきあうなんて、考えられないからな。おれがあかりの所に花でも持って、迎えにくるかどうかって事を探っているのか?」 余裕を見せたつもりのヒカルですが、璃緒は話に乗ってきません。 璃「先生は…、先生は…女の子の気持ちなんて何もわかっていらっしゃらないんだわ。 何もわかってくださらないのね」 笑い話にしようとするヒカルをきっと睨む璃緒。その目の迫力に、ヒカルも狼狽えます。 璃「先生がそんな気持ちのままじゃ、あかりちゃんは先生についていけない。 きっと、先生の本当の気持ちをあかりちゃんは見つけられません。」 ヒカルは璃緒のその声に、切迫したモノを感じます。 璃「今先生が、本当の気持ちをあかりちゃんに言わなかったら…」 ヒ「な…、なんだよ」 璃「……これ以上、私に言わせないでください。 先生は本当に女の子の気持ちなんて、何もわかってくださらないのだわ」 そういうと、璃緒は駅に消えました。 ヒカルもまた、あかりちゃんの家にダッシュ。そしてあかりちゃんに、すべてを告げて二人の仲は元通りになり、結婚の約束までしてしまいます。 そうなることを望んではいたものの、璃緒としてはつらいものがあります。 今までは、少しでも希望があったのに、完全にヒカルとの仲は師弟というだけになったわけで。当然といえば当然ですけど、やっぱりツライ。 あかりちゃんの幸せそうな笑顔を見るのは嬉しいけれど、それが逆に自分には恋の思いを断念せざるを得ないものとなる。 二人が(非公式だけど)婚約したことで、璃緒は更に囲碁にのめりこんでいきます。 狂ったように勝ち進み、あっというまに七段に(←ご都合主義)。 そして、恋が実らなかったこともあって、さらにヒカルの碁について、深く探ろうとします。つまり、ヒカルのすべてを知っていたいという気持ちです。 そこで、今まで集めていたヒカルの棋譜の整理をしていたのですが、初段の頃から今までに至るまでの、残っている棋譜を観賞するうちに、ある一局に違和感を感じるようになります。 新初段シリーズで、佐為がヒカルに替わって塔矢名人と打った碁です。 どうしても、この碁があまりに今までのヒカルの碁とは違い過ぎることに気づき、それに打ちぶりも、戦法の強引さばかりが目立つと思います。 でもそこは天才ですから、璃緒はこの碁に違和感だけでなく、ウラに隠された意図までも感じ取ります。 次第に自分にハンデをつけて戦っているという、無茶な感覚も読めてくるのでした。 そうすると、だんだん意味が分かってくるわけで。 無茶な戦いぶりも、大胆な配石も、ヨミの深いぎりぎりの打ち手も、逆の発想さえあれば納得行くものだと璃緒は感じます。 -もし、自分が逆コミ5目半でなく、自分の方に同じ様なハンデがあれば- 新初段という立場でなく互角として、白番に対して対峙しているのかも? いや、それ以上に自分が塔矢名人の上をいく存在として、白番にハンデをあげているという感覚なら?と。 そこで、璃緒ははっとします。楊海から渡されたネット碁のsaiという人と打った碁のことを思い出したのです。 saiは塔矢名人を下した打ち手。 それはjpnであり、日本人だったということはわかっています。でもそれ以上は何もわかっていない。 以前、緒方先生と新初段シリーズで打った時以来、璃緒は緒方先生とも親しくて、時折お酒の席にも呼ばれたりすることもあって、ネットのsaiについても話を聞いていました。 「とても強い打ち手がいて、オレはアイツと打ちたいと思っていたんだ。どうやら進藤のヤツがsaiの事を知っているみたいなんだけどな」 どうして今まで、それを忘れていたのか。 璃緒は今までの事を、一つに整理して様々に思い悩みます。 そして、塔矢名人に会うべく電話をかけるのでした。 >>>かなり強引だけどsaiの秘密をあばく状態まで来ましたな。その7へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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