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カテゴリ:慟哭
僕のために生まれて来たキミは....
ある日血の涙雨を隠す前髪を濡らした僕は 秋の西陽がまだとても痛い海岸で 真っ赤な目を曝け出してキミを求めたんだ そうキミは僕の雨粒をそっと舐めてくれたね とても悲しくて切ない目をしたキミは ずっと僕の悲しみをただ舐めてくれたんだ 僕の血の涙雨が止むまでキミは 涙が涸れる迄泣くんだよと囁いて ある日赤い血の涙を流した僕は 吹き荒れる嵐の中あの暗闇の海岸で 熱い血の通うキミをずっと求めた そうキミは迷わず僕の血をそっと舐めてくれた とても強くて慈愛に満ちた目をしたキミは また吹き荒れる絶望も魂の力で静めてくれたんだ 傷口から溢れる涙の雨が止まるまでキミは 嵐はいつかかならず止むんだよと囁いて ある日胸を突き刺す無数の棘が痛む僕は 木枯らし吹き荒れるあの寂しい海岸で 赤く燃え盛る炎のようなキミを求めた そう誰もかもが僕の心を引き裂いた お前が悪いという名の無数の棘を キミは甘い言葉で抜いてくれたんだ 僕の胸に刺さった棘が抜けるまでキミは それはキミのせいじゃないんだと囁いて ある日永久の別れに意志を失くした僕は 春風の心地よい温かい日差しの海岸で 残留思念に成り果てたキミを恨んだ そう僕はもうキミ無しには生きられない もう僕の悲しみを舐めてくれないのかい? キミは僕の雨粒をそして棘を奪うために 僕に寄り添い守るため生まれてきたのかい? 灰となり欠片となったキミを握りしめ 僕は独りでも生きて行くよとキミに囁いた 血の涙雨を前髪で隠し僕はキミに ありがとうと素直に言えた 僕のために生まれて来たキミは.... 幸せだったと言って欲しいなあ.... そうずっと僕のためにいて欲しい.... 僕がキミのもとに行くその日まで.... (これは僕の消せない記憶、そして未完の言葉です) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.09.15 20:07:46
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