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里見八犬士☆犬坂毛野の夢

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2005.11.22
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~夢を見ていた・・・・・僕の未来の夢

あいつが聴きたかった 僕の月光に

心を奪われて 涙を零している 夢・・・・・


ピアニストの僕が あいつを招待している

遠い未来の・・・・ぼんやりとした、夢・・・・・


何とも不思議な感覚に心奪われた少年は

思春期のもどかしさで 

虐待の痛みを忘れて 

そして、眠った・・・・・~


真夏の朝の強い日差しが僕の素肌を襲った・・・・・

あの日僕から“子供の人権”を完全に奪った学校を見捨てて
何度目かの朝だった。
僕の自室は暴力で僕を押さえつけようとした形跡で一杯だった。
そう、破れた血と泥に塗れたYシャツ、
そして何とか手に入れた菓子の袋、清涼飲料水の空き缶が散乱していた。
まさに孤独な少年が理不尽な大人と闘うためのアジトだ。
何よりもエアコンの無い狭い息苦しさで一杯の蒸し暑い部屋は、
思春期真っ只中の少年にとって、あの特有の“もどかしさ”を増幅させた。
子供から大人の身体に成る現象である事は知っていた。
でもこんなにも制御の利かないものだとは知らなかった。
だから僕は僕の心が壊れるんじゃないかって想った日の記憶、
また下らない学校の腐った思念の大人や、その手下の子供が、
あの日僕を絶望の淵に落とした“汚い言葉の矢”が刺さった痛み、
そして僕を暴力で従わせようとした肉親からの身体の無数の傷を忘れるため、僕は暫く思うが侭、全く別の世界を彷徨っては覚醒した。
きっとこれが声を失った少年の、たったひとつの“生きるてい証”、
そして“大人への扉”だったんだ.....。

でも僕が寝ても覚めても、心の中でいつも叫んでいた、
“声に成らない心の叫び”が、僕の身体に反響した。

『僕は、一体どうしちゃったんだろう....。』

これが総ての思春期の少年の疑問なんだろう。
誰も教えてくれない事に、いつもただ怯えるだけ。
でもそこには新しい世界が開けるのだという刹那の期待が胸に過ぎる。
そして子供の終わりを告げる時は、確実に進む。
誰にも言えない切なさに胸一杯に成り乍ら。

僕は世界にただ独り取り残されたような気がした。
僕の枕元にあった、壊れかけた目覚まし時計。
長針と短針が織り成すアイスダンス。
再開の嬉しさと別れの寂しさが交差して、
無限に出逢いと別れを繰り返している。
僕はただじっと文字盤の演技を見つめていたら、
まるであの日の僕等の出逢いに似ているって想った。
そう、僕らが重なるのは運命だった事、
そしていつかまた逢えるっていう確信が、
真昼の無音の世界に彷徨う、
刹那的満足に浸る孤独な僕を一杯ドキドキさせたんだ....。
ただ余りにもゆっくりとした僕たちふたりの歩み。
そんな僕等の人生の歩みを象徴するかのような、
長針と短針の“未熟な演技”だった。
でもどちらが僕でどちらがあいつかは分からなかった。
そう、きっと僕のナイトのあいつが長針なのかな?
だって僕をいつも引っ張ってくれたからさ.....。
でも、逆に僕の方が長針で、いつもあいつに確り手を握られて、
僕は想う存分遊べたのかな.....。
その僕達のゆっくりとした成長を急かすかのように、
世話しなく僕等の周りを動き回る秒針は、
僕等の自由な心を常に壊そうとする歪んだ心の大人、
そして秒針の音は彼等によって作られた、
僕等の個性や夢を吸い取る音に聴こえたんだ。
少年と大人の狭間の夢心地の世界に浸る僕等。
嗚呼、僕等の夢の総てを禁じているかの物言いみたいだな。

その時僕は目覚まし時計を見つめて、ふと想ったんだ。

『この侭じゃ、僕の夢、それに、僕等の約束、
みんな壊されちゃうよ.....。
嗚呼、僕の夢の扉、壊れた侭だよ!
これじゃあ歪んだ大人が僕等の夢の世界に汚い足で踏み込んで来るよ
・・・・・僕の夢を壊しにね。
それに僕が僕で無くなっちゃうよ.....。』


一瞬、僕の心が叫んだんだ.....。
僕の成長を急かす、歪んだ大人が作った秒針の音も、
僕の体内の時が刻む、僕の緩やかな成長を告げる
ゆったりとした秒針の音も、
みんな掻き消すようにね.....。

『僕の部屋が演奏会場に変わる日に叶う夢。
あいつとの夢、あの日の約束、ピアノリサイタル。
それに僕等が子供の侭で誓った約束.....。
あいつの光が込められた、僕の大好きな曲、
ベートーヴェン・ムーンライトソナタの演奏会。
僕のピアノの調べにのせて、あいつを照らしたいんだ!
あの日、寒さで凍えていた僕に温かい光を一杯注いでくれた、
僕のナイトのあいつを今度は僕が一杯照らしたいな.....。
あんなに寂しくて死にそうな少年が、
ここ迄夢のために強く成れた、
約束を守れて成長出来たって事を、
僕の想いの総てを込めた嬰ハ短調で、
僕をずっと見守ってくれたあいつを感動させたいよ!
僕がこんなに巧くなった事、あいつに一杯感じて欲しいよ!
それに、僕の心を壊すだけの大人に勝てたって事を、
僕の唯一の心の支えのあいつに褒めて貰いたいよ。
でも僕等の身体が完全に大人に成っちゃう前に、
あいつとの約束、叶えたいな.....。
僕とあいつのステキな夢が、最高の夢だって想える内に。
それに大人に成ったら、金に支配されて、
少年時代に見た夢なんてみんな忘れちゃうかも知れないからさ!
嗚呼、僕は急がなきゃ!
早くしないと大人の身体に成っちゃうよ!
それに歪んだ大人に、同じ種類の大人にされちゃうよ!
「早くしろ!早く子供じみた事捨てちまえ!」って、
下らない規則で縛り付けてさ。
だから僕は、あの嫌な音、
僕を無理矢理大人にさせる秒針の音と闘おう!
そして僕の身体から聴こえる音、僕を決して急かさない、
僕のゆったりとした音に耳を澄まして、
この夢心地の世界にいる間に、あいつとの約束、
僕は早く叶えなきゃ.....。』



僕は枕元の目覚まし時計から、ふと目を逸らした。
そう僕の“たった一つの夢”を叶える魔法の道具、
埃に塗れた、僕の友達だったピアノがあったんだ。

『・・・はもう独りじゃないんだよ!』

あの日のあいつの声が聴こえたから、その一瞬、
ずっと僕を悩ませていた思春期の少年誰もが抱えるもどかしさは
みんな消えてしまったんだ.....。

ただ僕の心と身体を支配したのは僕達の夢、
そしてあいつとの約束だった.....。

『もう僕は誰からも支配されないよ!
勿論子供の人権を壊す歪んだ大人、
暴力で子供を支配する大人からも。
誰も僕の行く道を遮る事なんて出来やしないさ!』



僕の微睡みを破る蝉時雨が僕に降りかかった、
思春期真っ只中の真夏のある昼下がり、
僕は、あいつとの約束だけを信じたんだ。

『僕の身体の熱、みんな鍵盤にぶつけよう!
僕が歪んだ大人に打ち勝つために。
僕の夢、ピアノリサイタルを実現するために。
勿論、あいつとの約束を果たすために.....。』



僕はピアノの上に乱雑に置かれてあった、
埃の被ったベートーヴェンの楽譜を手に取った。

ピアノソナタ月光第1楽章嬰ハ短調を完璧にマスターした
僕の目前に開けたのは、思春期の少年にとっても不思議な
変二長調のメヌエット風の素敵な夢の世界だった

『そうだ!僕達の夢の世界に歪んだ大人が入って来れないように、
僕は夢の扉に鍵を掛けてしまおう!
そう、メヌエットっていう、甘い魔法の鍵でね。
夢の扉の鍵、僕は誰にも渡さないよ!
そう、僕達が子供の内に、
僕等の夢を叶えたいからね.....。』



19××年、とても暑かった、ある思春期の夕方、
僕は夕闇の空に、離れ離れになったあいつを想い、
埃塗れに成っていた僕の分身のピアノを優しく拭いた。
まるであいつが僕の涙を拭いてくれたかのように、
僕に弾いて貰えなくて寂しかったピアノの涙、
僕は愛おしさで胸一杯にして拭ってあげたんだ。


僕とあいつの第2楽章が、今、始まった.....。


To be continued.....


☆メヌエット[Menuett;独]
・・・・・フランスで生まれた四分の三拍子のゆったりとした宮廷舞踊。
ステップを踏むダンスから由来する。











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最終更新日  2005.11.22 00:54:02



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