退屈前夜
オレは明日からしばらく退屈な時期をすごすことに決めた。目標は二ヶ月。金が尽きるのが二ヶ月後ぐらいだからである。次の仕事はその間にゆっくり考えることにしたらええ。久しぶりに部屋の掃除をする。久しぶりに服を大量に買う。ついでにスニーカーも買う。自転車を買う。Amazonで本とCDをしこたま注文する。多種の紅茶をまとめ買いする。ついでに大好きなバナナチップも買う。スケッチブックを買う。大きなサラダボウルを買う。枕を新調する。お香を買う。温泉のガイドブックを買う・・・そうみなさんお気づきの通り、オレは完全に「調子に乗っている」のだ。人間ここまで機嫌がええとエロい欲求など二の次三の次になることを実感する。ビデオ試写室の店長EからTEL。「お前ヒマやったらウチで働くか?」。アホか。オレのことを失業者やと思もとる。明日から久しぶりに「退屈な昼下がり」を堪能するセレブなオレが、なんでこの年で時給八百円やそこらで営業回りのサラリーマンの精子まみれのティッシュを片付けなアカンのじゃドアホ。明日は「退屈な昼下がり」第一弾として、新調した自転車で真田山の屋内プールに出かけることに決めた。