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テーマ:ё・ぼ・や・き・ё(1794)
カテゴリ:世の中のあれこれ
昨日の子供達のピアノの発表会の帰り、中華料理レストランへごはんを食べに行くことになった。
みんなが食べたいものを注文し終わった後、ダンナが若い女の店員さんに 「紹興酒の温かいのはできますか?」と尋ねた。 するとその店員さんは「聞いてきますのでちょっとお待ちください。」と一旦厨房のほうへ戻っていった。 その間に私たちのテーブルにはいくつかのお料理が運ばれてきた。 そして熱々の小さな土鍋に入れられ、グツグツ言っているお豆腐のお料理を、私が受け取って、よいしょとダンナの前に置こうとしたとき、さっきの若い店員さんがパタパタと小走りで戻ってきて、 「あ、だいじょうぶ…」と声をかけてくれた。 私は最後の「ですか?」を聞く前に「あー、ありがとう大丈夫です。」と、土鍋を無事にダンナの前に着地させながら答えた。 するとその店員さんは「え、いや、あの、大丈夫です!」と宣言したのだ。 私は一瞬、再び「大丈夫ですか」と聞かれたのかと思い「ありがとう」と言いかけて、はたと違和感に気付いた。 違う。このお嬢さんは私が熱い土鍋を持ち上げていたことを心配しているのではないのだ。 普段はとことん空気を読めぬダンナが私よりも先に気づいて笑った。 「違うよ。紹興酒のことだよね?」店員さんに聞き返す。 「はい。大丈夫です。」 「じゃ、それ一つちょうだい。」 そういえば最近、店員さん達が「大丈夫」という言葉を使うのを、どこでもよく耳にする。 「何々してもいいですか?」と聞かれれば「大丈夫ですよ。」と答え、「何々してもらえますか?」と聞かれれば、やはり「大丈夫です。」と答える。 とにかく肯定する意味の言葉として(そして、それを使っている本人は少し敬語の意味を付加しているつもりで)、彼らの『便利な言い回しマニュアル』に入っているのかもしれない。 しかし、前後の脈絡もなく唐突に「大丈夫です!」はなかろう。 「できますか?」と聞かれてすぐに「大丈夫ですよ」なら、私にも理解できたと思う。 でも、あんなに間を開けたなら、やはり「さっきの紹興酒のご注文ですが、確認しましたらできるそうです」くらい言ってほしい。 いや、百歩譲って「紹興酒、できるそうです」でも許そう。 若いアルバイト店員さんが、そういう、いわゆる想定外の質問にきちんと答えてくれると、客は落ち着いて食事ができるというものだ。 こんなに言葉をぞんざいに扱う時代は、近々終わるだろうと(希望的観測ではあるが)思っている。 それは、少し上等な生き方をしてきた人間かそうでないかが、はっきりと見えてくる時代になるだろう。 お金をたくさん持っているよりも、気持ちのこもった正しい日本語が身に付いていることのほうが、きっと何倍も大切になるはずだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年03月27日 23時29分54秒
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