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野の花も日々あれこれ考える

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2007年01月31日
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カテゴリ:世の中のあれこれ
今朝もワイドショーでは、例の柳沢発言について、騒ぎ立てている。
確かに、あの発言はセンスがなさ過ぎると思う。
しかも「しょーむないおっさんのジョーク(のつもり)」では済まされないような場での発言であることを考えると、「あー、こんなに思慮の浅い人が大臣なんだなぁ」と悲しい気持ちには、なる。

だが。
「女性に対する冒涜だ!!シロクロつくまでは何の論議もするわけにはいかん!」とばかりに大騒ぎするほど、世の女性達はその発言の内容に対して、本当に怒りを覚えているのか?と、私は少し疑問に感じるのだ。
だいいち、ニュースやワイドショーで報じられる柳沢氏の発言は、その問題箇所だけをピックアップしたもので、前後がカットされているため、その真意も正直よく分からない。
だが、常識的に考えて、大臣が公の場で「オンナなんて子供を作るための道具なんだよ!それだって産めるオンナの数なんて知れてるんだから…」なんていう意味のことを発言するとは思えない。
ならば、マスコミ全体が(各社の最終的な意図は様々であるとしても)事実以上に悪い印象を抱かせる見せ方をしていると考えることもできるだろう。


私は2人の子供を産んだ母親という立場だが(そして、特に安倍政権に肩入れする立場でもないし、柳沢大臣を擁護する義理もまったくないのだが)、今回の発言に「なによっ!女は子供を産むことにしか価値がないって言いたいの?!ムキーーーっ!!」なんて熱くなるほどの印象はないし、「原始、太陽であった女性をモノ扱いするとはなにごとですか!」なんて思いもない。
ただただ「もうちょっと品のある物言いができないものか」と、大臣にまでなる人の日本語の乏しさに、情けなくなるだけだ。
「美しい国」なんていうんだから、せめてそれに賛同する立場の方々は、もう少し美しい日本語で話す勉強と努力をしてほしい。

だから、不適切な言動を指摘し、なにが人をいやな気持ちにさせるのか、何が正しい日本語なのかをきちんと論じ合うのは、もちろん大切なことだと思う。
けれどそれは、できれば国会審議と言う、大切な時間以外の場での努力であるべきだ。


世の中にはもっと、本当に腹立たしいことや、早急に解決すべき問題がたくさん起きている。
特に安倍内閣になってからは、国会議員の中だけでも、お金の絡む議員の問題がたくさん起きている。
そっちのほうが、私はよほど腹立たしいと思うし、それこそ「ちょっと待て、予算の審議の前に、言って置きたいことがあるんだが。」と口を挟みたくなる問題だと思う。

だから、ああいうわざとらしく騒ぎ立てる、いわゆる茶番劇を見せられること自体にとても不快感を感じる。
そして「ものすごく良いタイミングで騒ぎの種を作ってくれたものだなぁ。これで俺達のことはうやむやだ(ニヤリ)」と、喜んでいる人間が(与野党を問わず)たくさんいるのだろうと思うと、それにもまた憤りを感じるのだ。


柳沢大臣の発言について、「私は全女性を代表して…」なんて鼻息をフンフン言わせている女性議員もいるが、彼女の目は節穴だ。
本当に、世の女性が求めていることなんて、彼女には見えていないのだろう。
そしてその節穴には、自分が「そういう女性キャラ」としてしか、使い途がないと思われていることも、他の大きな問題をうやむやにするために自分が利用されていることも見えてはいない。
そういうふうに利用されることこそ、本当の意味で低く見られている女性…と私は思うが、久々の華々しい出番に興奮している人間にはそれは微塵も感じられないのだろう。
(そして、個人的にはあのブサイクな大阪弁もやめてほしい。大阪弁は本当はもっと味のある良い言葉なのに…と泣きたくなるほど、彼女の大阪弁は汚い。)


「民主国家では、現実として世論こそが正義であり、必然的にマスコミが第一権力者となるのです。」と、大ベストセラー『国家の品格』の中で、藤原正彦氏は書いている。
それは、詳しい説明なしでは少し暴力的な論理とも取れるだろうが、私はこれが現実だと日々感じている。

それならば、国会であろうが、地方自治体であろうが、政治家や議員と呼ばれる人々はきちんと世論を吸い上げることが義務として発生するし、国民はマスコミや様々な媒体から垂れ流される情報の、なにが本当で何が嘘かを、きちんと自分の頭で考え、嗅ぎ分ける力を養う必要がある。

つまらないでっちあげ番組がきっかけとは言え、マスコミのあり方と視聴者の受け止め方が問われている時期だけに、こういう問題を扱う時にも、情報を流す側も受け取る側も、頭を冷して、冷静に考えなければいけないのではないかと思えてならない。





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Last updated  2007年01月31日 10時00分57秒
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