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野の花も日々あれこれ考える

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2006年04月01日
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久しぶりに子供達と一緒に実家へ帰った。

実家へは電車をいくつか乗り継いで、片道3時間半~4時間ほどかかる。
そのため、ちょくちょく行くことはできないが、行く時には必ず2~3日は泊まってくることになっている。
そして、その時には妹夫婦も必ず子供づれでやってきて、ふだん父母ふたりっきりの実家は、それこそ盆と正月がいっぺんに来たような大賑わいとなる。

みんなが集まると、母はいつも手作りのご馳走を山のように作って、私たちのお腹と心を満たしてくれる。
今回も行く前から「お寿司を握るから楽しみにしてて」と母は大はりきりであった。

しかし最近は、年々年老いていく両親に子供づれで会うのは、半分は「親孝行」のつもりであった。
普段は離れていて何もしてあげられないから、せめて子供達の成長ぶりを見せて、私の近況報告をおもしろおかしく聞かせて、楽しませてあげようと思っていた。

親と子の関係は、歳が行くとだんだん逆転しはじめ、私が親に教えてあげること、やってあげることが年々増えてきて、いつの間にか心の中で自分のほうが親達の上に立っているように感じていた。
おそらく両親と話す時の物言いも、年々えらそうになってきていたと思う。
いたわって「あげる」という気持ちが、常にどこかにあった。

ところが、今回は実家に着くなり先制パンチを浴びた。

お誕生日の垂れ幕

先月の末の私の誕生日を祝う、母の手作りの垂れ幕が部屋のど真ん中に下がっている。
天井にそって、父母が一生懸命つないでくれた、色紙の輪つなぎも飾られている。
両親はびっくりする私の顔を見て「してやったり」といわんばかりに、ニヤニヤと嬉しそうだ。

鼻の奥がくーんと鳴って、にじんだ涙で目の前がちょっとぼやけた。
「じーじとばーば」だった存在の両親が、いきなり「おとうちゃんとおかあちゃん」に逆戻りした。
こんな風に、自分の誕生日を盛大に、そしてあたたかく祝ってもらうのは久しぶりだった。


しかし、よく見ると年齢のところが「?さい」となっている。
30代最後の歳を迎えた娘への配慮なのか?(笑)

結局のところ、親はいくつになっても親であって、子は親を乗り越えて大人になったつもりでも、それは所詮「つもり」なのだ。
こんなちょっとした「いたずら心」でも、娘はあっと言う間に心から癒されてしまうのだった。

来年もまた祝ってもらいたいものだと心から願う。





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Last updated  2006年04月06日 10時17分07秒
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