野の花も日々あれこれ考える

実家の母がベランダでひっそりと園芸を楽しんでいる。

それは、間違っても「ガーデニング」などと呼べるものではなく、私と妹が小さい頃遊んでいたスコップと熊手と、小学校で朝顔やへちまやホウセンカを育てた後、持って帰ってきた植木鉢と、百均で買ってきたゾウさんのジョウロで成り立っている、母のひそやかな趣味だ。

しかし母は、持ち前の明るさと度胸とこだわりのなさ（笑）で、ベランダいっぱいに次々と花を咲かせている。

この画像の花は、母曰く「ベランダをぱあっと明るくしてくれる、私の秘蔵っ子」らしい。
しかし、誰かからさし芽をしてもらったものらしく、名前が分からないという。

私は昔、友人から結婚祝いに「どうせ観葉植物は枯らしちゃうだろうから、手入れの簡単なサボテンの寄せ植えにしたよ」ともらった鉢植えを、わずか数週間でからした苦い思い出があり、それ以来、多肉植物には縁がないので、もちろんこの花の名前も知るはずもない。

名前も知らない植物を何鉢も、大事に大事にかわいがる母が、なんだかかわいく思えた。
だが、名前が分かればもっとかわいくなるかもしれないと思う。

どなたか、この植物の名前をご存知の方がおられたら、教えていただけないだろうか。
もしも教えていただけたら、母にちょっと自慢げに電話をしてやろうと思うのだが…。