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カテゴリ:うちの庭
ずっと雨が続いていて、庭がかなり荒れている。 おまけに風邪をひいて寝込んでしまい、庭の手入れどころではない数日間だったので、盛りを過ぎた花たちがかわいそうな姿になっている。 そんな中、少し時期遅れに咲いたフリージアを見つけた。 庭の茂みの中に何年も植えっぱなしになっているものなのだが、今年はひときわ大きな花を咲かせた。 黄色いフリージアは、私の実家の母が大好きな花だ。 優しくて甘い香りも良いし、リズム感のある花のつき方も好きらしい。 小さい頃、母の日やお誕生日に何度かプレゼントした覚えがある。(本人は忘れているかもしれないが) でも私にとって一番のフリージアの思い出は、殿が私の両親に初めて挨拶に来た日のことだ。 スーツにネクタイ姿で、緊張した面持ちでやってきた彼の手に抱えられた、大きな花束のあの黄色いフリージアの色を、私は一生忘れないと思うのだ。 そんなわけで、この色のフリージアが咲くとなんとなくひとりでににんまりとしてしまう私なのだが、あの時花束を抱えていた本人は、あまりにも緊張していたために何の花を買ったのかよく覚えていないらしい。 おそらく、店頭で目に付いた黄色い花を「これ、このバケツ一杯分、あるだけ包んでください。」とでも言って買ったのに違いない。 フリージア、なんていう花の名前だって、たぶん当時は知らなかったのではないかと思う。 今は、庭にある木も花も、殿はほとんど全部知っている。 おじいちゃんになって暇な時間がたくさんできたら、自分でデザインした木のネームプレートをつくり、そこに植物の名前と、それにまつわるエピソードを書き込むのだと楽しみにしている。 黄色いフリージアに付けられるプレートには、果たしてあのときのエピソードが書き込まれるのだろうか。 ちょっとドキドキして待っている私なのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年05月19日 09時47分19秒
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