我が家の白い花たち
毎日をバタバタとやり過ごしているうちに、季節がどんどん移り変わってしまい、日記に書きとめておきたかった今年の庭の花々もついつい載せ損ねてしまっている。そこで、今年の春の我が家の庭の様子を、ちょこちょこと撮りためた写真とともに少しずつ記事にしてみようと思う。最近の我が家のアプローチの様子。すでに春という雰囲気ではなく、すっかり草いきれむんむんの初夏の庭になっている。地植えの植物というのは、主が忙しくて一向に世話をする気配を見せないような年でも、春になればちゃーんと新芽を出し、若葉を茂らせてくれるので本当にありがたい。我が家にいらっしゃるお客さんは、このアプローチを通って中の庭にでるとみな口を揃えて必ず「うわぁ、ものすごいですね」とおっしゃる。ものすごい、というのは決して褒めてくださっているのではなく(泣)、庭と言うよりはまるでジャングルのように様々な植物がひしめき合って、そこに普通は野原に生えているような花たちもみな市民権を得て我が物顔でいるために、一瞬「大変なことになってしまっている」という印象を表してくださるのだ。なんのことはない、皆さん内心は「草引きぐらいこまめにやれよ」とおっしゃりたいのだと思う。白いエニシダが咲いている。どうやら四季咲きらしく、花期が長いのだが花つきはあまりよくないようす。うわーーっと咲くのを期待していたのでちょっとガッカリ。白い花といえば、昨年日記に載せて「珍しい」と褒めてもらえたのがこの白いハナズオウ。今はもう花の時期は終わってしまったのだが、せっかくなので載せておこう。この真っ白で柔らかいラインの花は、なんだか清楚な感じがしてとても気に入っている。殿様がもうずいぶん前に小さな苗木を植えたハクウンボクが、今年初めて花を咲かせた。蕾は藤の花の蕾のような形をしていて「どんな花が咲くんかなぁ」とワクワクして待っていたら、こんなにかわいらしい花がたくさん咲いた。お面が作れるくらいの大きな葉っぱからは想像も出来なかった。下向きに咲く花は日本人の心をくすぐるらしいが、この花の形はその最たるものではないかと思う。いい香りのするこの花にはクマバチがたくさん寄ってきて、せっせと蜜を集めている。ハナミズキも、今年はやっと一人前に咲いた。昔からハナミズキが好きで、この家に住み始めた頃はピンクのハナミズキの大きな木を植えていたのだが、台風で揺さぶられて根がひどく傷み、枯らしてしまった苦い経験がある。今度は、ちょっとした茂みが足元を覆っていて、少々の風には負けそうにない。ブルーベリーもまだまだ咲いている。我が家には早生の種類から、比較的遅い時期になるものまでいろいろなブルーベリーがあるので、ずいぶん長い期間次々に咲くのを楽しめるのだ。残念なことに、小粒でとてもおいしい実のなるワイルドブルーベリーは、今年は花がとても少ないようだが、それ以外はたくさんなりそうなので、今年もジャムを作るつもり。今、庭の面積の大部分を占領しているのは、このこぼれ種で勝手に増えたマーガレットである。風に揺れるマーガレットは可憐なイメージがあるが、実はとんでもなく強い繁殖力をもった植物なのだ。数年前に「モッコウバラがもう一本欲しいね」と言って購入した一株が、今年は黄色いモッコウバラの間からぐんぐん枝を伸ばして花をつけた。これが一面に枝を伸ばして、びっしりと花を咲かせるようになるのは何年後だろう…。想像するだけでも嬉しくなってしまう。今朝、家族が出かけた後で、久しぶりに庭のベンチでお茶を飲んだ。一人でのんびり飲むお茶は、やっと少し自分のための時間ができつつあることを実感させてくれた。庭のあちこちに目をやると、いままでどうしても追いつけなかった「季節の進む速さ」と、自分の暮らしの速度のズレを少しずつ調整できる気がした。油断していて、ほっぺたをシマシマのやぶ蚊にやられてしまったけど、これからまた庭で過ごす時間を大切にしたいなぁ…なんて改めて思う私なのだった。