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野の花も日々あれこれ考える

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2006年06月06日
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テーマ:ニュース(100174)
カテゴリ:世の中のあれこれ
昨日も今朝も、テレビは秋田の事件と村上氏逮捕の話題ばかり。

特に村上氏の逮捕、また逮捕直前の会見については、各局が「その道のプロ」やら「法律のプロ」やら「政治のプロ」やら、そして「野次馬」までもが入り混じっての、大騒ぎの様相を呈している。
私には残念ながら投資については通り一遍の知識しかないので、事件そのものについての分析をする力量はないが、彼の記者会見は人間として興味深いものがあったので、「村上さん」そのものについてちょっと書いてみようと思う。

会見が始まる前、彼は大きなため息をついていたかと思うと、顔中の筋肉を緩めて笑顔を見せ、またすぐに難しい表情に、という落ち着きのなさを見せていた。
いや、そもそも私は以前から彼を「落ち着きのない男だなあ」と思っていたが、逮捕を意識して落ち着きのなさに拍車がかかっていたようだった。
普通の人々が一生かかっても見ることもないような大金を「むちゃくちゃ稼ぎました」と言う割には、なんだかどっしりしたところが一つもない。

そして会見が始まるやいなや、彼はすっと表情のないニュートラルな顔に戻し、すっくと立ち上がってすっぱりと自分の非を認め、感情のない顔で深々と頭を下げた。
それを、彼自身は「最初に下手に出て好印象を与える」という、謝罪会見成功のセオリーだと思っていたに違いない。
なにせそれは、かなり強い権利を有する種類の役所で、公に向かって謝罪する時の決まりきったスタイルだったから。

しかし実際には、彼が狙ったほどの多くの人々が彼の謝罪を「潔い」と感じたわけではなかった。
ここ数年、スーツを着たエライヒトタチが、ずらりとマイクを並べた長テーブルの向こうのパイプイスから揃って立ち上がり「申しわけございませんでした」と揃って頭を下げる映像など、私たちは飽きるほど見ている。
そして、その謝罪は「何が悪いのか知りませんが代わりに謝っときます」的な謝罪であることも、みな知っている。
先制パンチのつもりで見せた謝罪の姿に村上氏の本当の申し訳ない気持ちなどないということは、多くの人の知る「社会の常識」なのに、彼はそのことに気付いていなかった。

おそらく彼は通産省をやめてから、公の場で謝罪する機会などなかったのではないかと思う。
役人時代はルールの頂点に位置するエリートだったし、自分で起業した会社では自分がルールだっただろう。
民間人として大きな謝罪をすることを経験せずにここまで来た彼は、だから、役人スタイルの謝罪が、見るものの心に訴えかける力などこれっぽっちもないと言うことを知らなかったのではないかと思う。
いやもっと無意識に、謝罪とはこういうことをするもの、という風に彼の脳に刷り込まれていたのかもしれない。

先制パンチがあまり効いていない空気を読んだ村上氏は、これでは謝罪会見の効果が期待できないと瞬時に判断し、今度はやたら言い訳をしまくる。
しかしその言い訳がまた、なんとも大衆の心をつかまないものだった。

「聞いちゃってたんですよねぇ…」などと初歩的なミスに開き直るようなことを言ったかと思うと「自分はプロ中のプロ」といきなり高いところからものを言うし、「私が悪い!」と言い切るかと思うと「知らずに入った一方通行のようなもの」と自分の責任をぼかすような発言もする。

私は「もうちょっと普通の視線でものを言えないものか」とあきれて見ていた。
とにかくこの人、ものすごく高いところからか、もしくは平身低頭妙に表情を崩してニヤニヤ笑いながら「すんまへん、そやけどこういうしゃーないことありまっしゃろ?」という開き直り的な上目使いか、激しく極端にしかものを言えないのだ。
もう少し普通の人たちの気持ちの分かる生き方をしてきていたなら、ちゃんと聞く人の心に響く、そしてその意図の善悪はどうあれ、謝罪の効果の期待できる会見が開けただろうにと思う。

特に興味深かったのは、村上氏が「みんながボクのことを嫌いになったのは…」といい始めたことだ。
莫大なお金を動かしているのに、この人はみんなが自分のことを好きかどうかなんてことが気になっていたのだ。
そして、世の中みんなが自分や堀江容疑者たちのように、拝金主義で生きていると錯覚していた。
「みんながボクを嫌いって言うのは嫉みでしょ!いいよいいよ、じゃあボク、もう引退しちゃうから!」とすねる子供のように見えた。
そして「星野さんの言い方は許せない」と逆切れもしてみせた。
おそらく自分でも、言ったあとにかなり情けない気持ちになったと思う。

だから、「ああ、なにかみんなが尊敬してくれることも言っておかなくちゃ」という気持ちが働いて「小説を書くか、映画を作るか、慈善事業をやるか…なにか社会の役に立つことを…」などというハズカシイことも言うハメになってしまったのだ。


では短時間の会見で激しい二面性を見せた理由とはなんだったのか。

そういえば、秋田の事件でも、容疑者が明らかな二面性を見せていたと話題になっていた。
秋田の事件の容疑者と村上氏。
二人は天と地ほども隔たりのある人生を歩んできたが、逮捕と言う終着点だけ見れば、二人とも同じ「悪い人」だ。
そして逮捕の直前に落ち着かなくなり、短い周期で二面性を見せるという共通点。
生きてきた環境の影響を受けないような、人間の感情の原点に触れるキーワードは「隠しきれないうしろめたさ」ではなかったか。

会見から見える村上氏の二面性は「少しでも好印象を与えて少しでも自分の利を勝ち取っておきたい」という気持ちと「だからといって馬鹿にはされたくない」という気持ちに揺れた結果だろう。
あくまでも超エリート、業界のカリスマとしてのプライドは高い人なのだ。
へりくだったすぐ後には、自分を高い位置に戻さなければ気がすまないのだ。

もしも彼がそのプライドを捨てて、哀れを誘う謝罪会見に徹することができたなら、社会の彼に対する見解はずいぶん違っていただろうと思うし、逆にいっそ、プロ中のプロとして、わかっててやりました。と淡々と会見をしたなら、それはそれで潔さも感じられたのではないかと思う。
だが、彼にはそれができなかった。


もう一度、謝罪会見を見るチャンスがあれば、彼の心の振り子のふり幅を意識しながら、そして、どちらに振れている発言か意識しながら見ると面白いと思う。
そこからは彼が「気のちっさすぎる男」であることと、人の心を理解できるような生き方をして来なかったことがはっきりと感じ取れるはずだ。





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Last updated  2006年06月06日 11時16分51秒
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