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テーマ:ё・ぼ・や・き・ё(1794)
カテゴリ:子供にまつわるあれこれ
(その1からのつづき)
実は私は、太郎が地元の公立保育園に入ったときから今まで約10年の間に、散々役員をやってきた。 保育園で保護者会の会長をやったのが運のツキで、それ以来「ののはなにやらせとけばいいわ、どうせ専業主婦だし。」と何度も何度も押し付けられてきたのだ。 それは、私と花子が交通事故に遭ってムチ打ちになった時でさえ「皆さんお仕事をお持ちですので、お勤めをしていないののはなさんにお願いしたいんですが」と言われた。 さすがにちょっとムカついて「どう考えても無理なのではっきりお断りさせていただきます」と言って、ここ数年はやっと役員の仕事から解放されたのだった。 しかし人数がきっちりのこの状態では、今回はなにか引き受けなければ仕方がない。 だが、それならせめて父の介護の手伝いに行くのに、できるだけ支障のでない仕事をあててもらえないかと思い、恥ずかしい気持ちを抑えて、父の状況を説明し 「本当に申し訳ないんだけど、今回ばかりは週末や長期のお休みには仕事のない役をもらえないかな」と切り出してみた。 私は今までの経験で、地区役員の書記がもっとも仕事にかかる時間が短く、また兼任するPTA本部の仕事も「青少年育成部」という部署で、パトロールや交通安全指導など、いざと言うときには殿に変わってもらえる仕事内容であることを知っていた。 はっきりと口には出さなかったが、できればそれにあててほしかったのだ。 だが私が願い出た後、お商売をされている一人の方が怒ったように「それなら私も、主人が役員は引き受けるなと言っているから、免除して欲しい。」と言い出し、もう一人のお商売の家の奥さんは「私は役員なんてやる自信がないからはずして欲しい」と言い出した。 この人達は、要するに役員なんてやったことがないからイヤだと言っているのだ。 しまった。 この人たちがそういう人たちだと言うことをすっかり忘れていた。 いや、まさか人数がギリギリだというのにこんな理由で役員を断る人が出てくるとは思わなかったのだ。 残りの1人の奥さんだって、フルタイムで働いている奥さんなのだ。 その人1人が「わー、どうしよう…」と困ってしまっている。 私は「ああ、ごめんごめん。じゃあ、くじ引きかじゃんけんで決めましょう。私も何に当たってもちゃんとやらせてもらうように努力してみますから。」と言って、とにかく誰がどの役につくかを決める方向に話を動かそうとした。 すると、『自信のないオクサマ』が「私、本部役員なんて絶対にイヤっ!そんなの絶対にできませんからっ!!」と突然キレた。 びっくりした会社員の奥さんが「あ、あの、あの、それだったら奥さんは地区理事長だったらどう?」と尋ねた。 理事長は、実は本部役員の次に仕事の多い役で、実は本部の役員もかなり重役を兼任することになっているのだが、会社員の奥さんはそれを知らずに勧めてしまったようだ。 すると『自信のないオクサマ』も「それならできるかもしれません。本部役員じゃないなら。」とおっしゃった。 オクサマ自信も、大変らしいという噂の本部役員から逃れることで頭がいっぱいで、地区理事長の仕事の内容を確認する余裕はなかったらしい。 それを見ていたもう一人の、『ダンナが反対するオクサマ』も「じゃあ、私も本部じゃないのがいいです!家でできることとかが多いほうが。」と言い出した。 それで、会社員の奥さんが「それなら、地区の会計は?それならお家で帳簿をつけたりできるでしょ?ね?」と必死でつくろいながら尋ねた。 地区の会計は、地区のPTA予算の収支の管理や銀行への出し入れで、実はけっこう大変だ。 そして、この会計は、PTAのどの部の何の役員に配属されるかまだ決まっていない。 かなり仕事量の多い部署に配属される可能性もかなりあるのだ。 だが、そのオクサマもそのことはご存知ないらしく、ニヤリと笑って「それなら引き受けます」とおっしゃった。 この間、私は一言もしゃべらなかった。 じっと黙って見ていた。 だが、本当は二人のオクサマがたがラクだと思って選んだ仕事は、二人の思っているようなものではないことをよーく知っていた。 だが、あえて何も教えなかった。 ただ黙って、二人の役員未経験オクサマ達が、いきなりまんまと重役にはまっていくのを、ほんのちょっと、心の中で舌を出して、見ていた。 私にできる精一杯の意地悪だった。 こうして、私と会社員の奥さんの二人の前に、もっとも大変な本部役員と、書記の仕事が残された。 会社員の奥さんが「ののはなさん、ご実家が大変だったら私が本部に行こうか?」と聞いてくれた。 だが、私はなんだかそういうのがすごく申し訳ない気分になっていたので、じゃんけんにしようよ、と言った。 もう、「本部役員だってPTA会長だって引き受けてやるわよ!」という、半ば自暴自棄な気持ちでいた。 私の友人も今年度、PTA本部役員を引き受けて、一年間目の回るような忙しい中を頑張ってきたのだ。 私だって頑張るわよ! 少なくとも、ぐずぐずぐずぐずと逃げるようなことばかり言ってるオクサマ達や、そもそも学校での子供のことなんて、親には関係ないと思っているような親達よりは、私のほうがちょっとはマシに役に立つはず!! そんなふうに思ったのだった。 それで、じゃんけん。 負けたら本部ね、恨みっこ無し。お互いフォローしあおうね、と決めて。 最初はグー、と会社員の奥さんが掛け声をくれて、じゃんけん… ポン! 私はチョキ、相手はパー。 ぎゃー負けちゃった~!と大笑いしながら叫んで、結局、会社員の奥さんが本部役員になった。 私は、最初に画策していた通り、書記の役につくことになった。 とりあえずはホッとした。 だが、後々に私のした意地悪のしっぺ返しが来なければいいが…とちょっと不安も抱えている小心者の私なのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年02月20日 11時09分22秒
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