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テーマ:中学生ママの日記(17695)
カテゴリ:子供にまつわるあれこれ
子供達がそれぞれの新しい学校に入学して、一週間と少し。
「春になったらきっとものすごくのんびり出来るに違いない。燃えつき症候群にならないように気をつけなくちゃ!」なんて思っていた私の思惑は見事にはずれ、相変わらずバタバタした日々を送っている。 太郎はおかげさまで、無事に第一志望の県立高校へ入学を果たした。 本来ならばブログで「やったーーー!!」と大騒ぎしたかったところなのだが、県立の合格発表が花子の小学校の卒業式と重なってしまい、私は花子の晴れ姿を見に行き、合格発表は殿様が太郎に付き添う形になったため、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶようなタイミングは非常に残念ながら私にはなかったのだ。 (太郎は「一人で行く!」といったのだが、もしも万が一落っこちていたらすぐに振り込まなければならない私立への入学金と振込用紙を、太郎一人に持たせるのはあまりにも心配だったため、殿様の出番となった。) 結果的に「受験生の親の一番オイシイところ」だけを殿様に持っていかれた私は、一年間の苦労が報われた瞬間を、殿様から送られてきた太郎の呆けたようなハニカミ顔の添付されたメールを見るだけで、今ひとつ実感のわかないまま「あー、受かったんや…良かった。」とこれまたちょっとマヌケな顔で過ごしたのだった。 (ただし花子の卒業式は予想以上に感動的で、大勢のお母さん達と一緒に私もボロボロと涙した、と言うことは書き添えておきたいと思う。) ダブル卒業ダブル入学の我が家の春はこうして始まった。 花子は太郎が卒業したばかりの公立中学に、入れ替わりの形で入学した。 わずか数週間前には太郎の卒業式に出席したその同じ体育館で、真新しい制服を着て、髪を二つに結んだ花子の入学を見るのは、なんだかくすぐったくて照れくさくて、そして嬉しかった。 しかしそんな感慨に耽るのもつかの間、同じ日の昼からは太郎の入学式が待っていた。 高校の入学と言うのはこんなにも面倒なものだったかと、少しイヤになるくらいたくさんの提出書類と戦い、(県立とは言え)様々に発生する費用を支払い、緊張とワクワクの入り混じった気持ちで臨んだ太郎の入学式は、あまりにもあっけなく、味気なく、なんだかじじむさかった(笑) でも、太郎が「あそこの道を毎日登りたい」と言いながら、塾の行き返りに横目で見ていた坂を、殿と私と太郎と一緒に登った時は、やっぱり胸がいっぱいになった。 受験の朝、この坂の下まで車で送ってきて、口を真一文字に結んで登っていく太郎の背中を見たとき、私は「今日が私と太郎の親離れ・子離れの日なんだな」と実感したのだった。 息子と母親の関係は、娘とのそれとは全く違って、どこかの時点で親離れ・子離れを決めなければいけないものなのだとずっと心のどこかで思ってきた。 段々大きくなって、少しずつ距離が離れていき、いつかなにかのきっかけでポンっと子供の背中を押し出してやる時が必要なのだろうと思っていたのだ。 けれどこの一年間、私と太郎は親子と言うよりはともに戦う同志だったため、おそらくこんなに一緒に過ごすことの多い一年間は一生のうち他に無いだろうと思えるほど、(おそらく客観的に見れば「過保護のバカ親」にしか見えないほど)私はいつもいつも太郎のすぐ後ろで後方支援部隊としてスタンバイ状態だった。 だがそんな中でも、いつも心の中では「『その時』は一体いつやってくるんやろか」とタイミングを逃がさぬように気をつけていたような気がする。 そしてそれは、受験の朝、その坂の下でいきなりやってきた。 少し離れたところにも、同じように男の子を送ってきたお母さんらしき女性の姿があって、その人も私と同じように、ちょっと肩をすくめて腕組みをしたまま、坂を上っていく息子の背中を見送っていた。 おそらくあの人も私と同じような気持ちを感じていたのではないかと思う。 その少し緊張の滲む背中は、けれどもとても堂々としてたくましく頼もしく見えた。 もうここからは一人で大丈夫、そんな風に言っているように見えた。 嬉しくて、胸がいっぱいになって、それからちょっと寂しかった。 それは、ガーン!とかドーン!とかズーン!とかいう風にやってくるのではなくて、唐突に、けれど拍子抜けするくらい簡単に訪れた子離れの瞬間だった。 「なんや、いつかいつかと心配してたけど、ちゃあんと分かるようになってるんやん。」 坂の上に見えなくなった太郎の後姿に小さく手を振って、私はその時、そんな風に思っていた。 話がよそに行ってしまった。 本題に戻そう。 今回の入学式で特筆すべきは、土日もほとんど仕事をしている殿様が、なんと丸一日お休みを取って、両方に出席したことだろうと思う。 今までほとんどの行事を「忙しいから無理」といっていた殿様だったのだが、今回は「子供の成長に気持ちがついていけなくなってしまいそうだから」と、頑張ってお休みを取ったらしい。 自分の心の中での太郎や花子よりも、実際の彼らがうんと成長していることを目の当たりにして、殿様はなにか感慨深げな顔をしていた。 そしてそれは結果的に、殿様と子供達の間に、新たな関係の小さな芽を出すことになったようなのだが、それはまた別の機会に書くことにしよう。 それから一週間。 花子はさっそく新しい友達ができ、制服に慣れ、太郎のお古のジャージをしゃんと着こなし、そして重い鞄にもすぐに慣れて、毎日とても楽しそうだ。 今日は初めての数学があるのだと、とても楽しみに出かけて行った。 太郎は「持病」ともいえる心配性と気の小ささが災いして(笑)、あんなに憧れた学校の楽しさを、まだ感じる余裕はないようだ。 だが、今日から部活が始まるのだと言って、お気に入りのラケットを自転車の前カゴに入れて、ちょっと嬉しそうに出かけて行った。 母は、テニス部が太郎の期待通りに楽しめる場所であって欲しいと願うばかりである。 こうして子供達二人は新生活に突入したのだが、私といえば殿様のお弁当に加えて太郎のお弁当も毎朝作る生活が始まり、前にも増して早起きを強いられることになった。 たった二つのお弁当とはいえ、なにしろ食べ盛りの高校男子のお弁当は、メタボ対策を施した殿様のあっさりお弁当と同じと言うわけには行かず、手間のかかることこの上ない。 そして殿様の帰りが遅いことは春がやってきたところでなんの変わりも無くて…結局ラクになるどころか、時間的なバタバタ感はほとんど同じなのだった。 あーあ。 4月になったら4400とデッド・ゾーンと24を一気に借りてきて見てやる!と思っていたのになぁ。 …あ、そういえばこの前録画した「剣客商売」の新シリーズのスペシャルもまだ見てないや。 そういえば今夜は中学のPTAの役員会があるんだった。 とりあえず雨が降るまでに少しだけ庭仕事してこようっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年04月16日 14時18分38秒
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