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カテゴリ:信用取引
ㅤ今回は、以前からアイディアとしては持っているのだけど実行したことはない小銭稼ぎの方法について。
それは、”配当落調整金”で儲ける、というものです。 もう少し具体的に書くと、配当権利日に”現物買い × 制度信用売り”のクロス取引を行い、現物でいただく配当金と、制度信用売りで支払う配当落調整金の差額を稼ごうという方法です。 1.配当落調整金とは 配当権利日に現物株を持っていると、その会社から配当をいただけます。 信用取引の場合には会社からは配当金が出ませんので、その代わりに信用取引の買い手と売り手の間で、配当金に相当する金額をやりとりします。それが配当落調整金と呼ばれるものです。 この配当落調整金が、配当金と同額であれば何も問題はないのですが、 実際には、配当金から配当課税の国税分(15.315%)を差し引いた84.685%の金額が配当落調整金としてやりとりされます(ただし、一般信用売の場合に支払う配当落調整金だけは配当の100%)。 なぜ、国税分を差し引くのか、また地方税の5%は考慮されないのか、まったく理解できないのですが、ともかく、そういうことです。 2.配当落調整金で儲ける? ここで、配当権利日に”現物買い × 制度信用売り”のクロス取引を行ったらどうなるでしょうか。 現物でいただく配当金は、とうぜん配当金の100%の金額です(税金のことは後で書きます)。 制度信用売りで支払う配当落調整金は配当金の84.685%。 配当金への課税は、株式の譲渡損失と損益通算ができます。 この取引の譲渡損失は、”現物買い × 制度信用売り”のクロス取引を手仕舞った時点で配当落調整金と手数料の分だけ発生しますので、 配当金と損益通算すると、この取引全体の利益は、 配当金(100%)- 配当落調整金(配当金の84.685%)ー 費用(手数料・信用金利) = 配当金×15.315% ー 費用(手数料・信用金利) この取引で、配当金と配当落調整金の差額(配当の15.315%)から取引きの費用を差し引いた分の利益を得られます。 で、この金額に譲渡益税(利益の20.315%)が掛かります(他の取引で損失が有れば、それとも通算できます)。 配当に対しては、一時的に20.315%の税金が引かれますが、取られ過ぎの分は確定申告で、または特定口座(課税あり)なら自動的に戻ってきます。 分かりにくいので、具体的な事例で書くと 例えば、100,000円分の配当の得られる株で、”現物買い × 制度信用売り”のクロス取引を行ったとすると、 配当金は、100,000円。 配当落調整金は、84,685円。 差額の15,315円から手数料など費用を差し引いた金額が利益となり、 損益通算で、(15,315円ー費用)× 20.315% の金額の譲渡税がかかります(他の取引で損失が有れば、かからない場合もあります)。 取引金額に対しては大きくはないですが、小銭稼ぎになるかもしれません。 3.儲からない? ただし、制度信用には逆日歩が付くことがあります。 制度信用の売り手が買い手に支払う金利です。 例えば、優待クロスで、”〇万円のソーメン”とか”○千円のラーメン”だとか揶揄される原因になるのがこの逆日歩。 つくと思うとつかず、つかないと思えばつくのが逆日歩。 最近では、7月17日が配当権利日だった内田洋行に強烈な逆日歩が付きました。 内田洋行は3500円ぐらいの株価に対して、年1回75円の配当です。株主優待はありませんので、権利日の信用売り急増は、配当金を狙っての動きと思われます。 なんと、86.7円(1日当たり28.9円の3日分)の逆日歩です。 ”配当落調整金で儲ける”という世界は、かなりレッドオーシャンで危険かなと思いましたね。 ”配当落調整金で儲ける”というアイディアは、しばらくお蔵入りさせておこうかな、と思います。 ※投資は、損しても得しても自己責任で! ※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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