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2021.05.26
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カテゴリ:反戦平和

戦争神経症(『日本軍兵士』」吉田裕著、中公新書、111ページ)

「・・‥激しい戦闘が、兵士たちの精神状態に与えるダメージには、深刻なものがあった。戦況が悲観的になるにつれて突然に発狂し、被害脅迫妄想、幻視・幻聴、錯視・錯聴、注意の鈍麻、散乱、支離滅裂、先鋭な恐怖、極度の不安、空想、憂愁、多弁、拒食、自傷、大声で歌い回るもの、踊り回るもの、なにもかも拒絶する者、叡知・感情・意志の障害があらわれた。すなわち、極限における人の姿であり、超極度の栄養失調症にともなう急性痴呆症の姿であった。」

 

マラリアと栄養失調(『日本軍兵士』」吉田裕著、中公新書、34ページ)

1944年4月ごろから急に栄養失調症が増えていき、栄養失調による死者、すなわち餓死者が、出始めた。マラリアにかかると40度の高熱が出て、それが1週間ぐらい続く。それで体力が弱まったところへ食料が無く、極度の栄養失調に陥って、その後は薬も食事も、ぜんぜん受け付けない状態になって死んでいく・・・それが、典型的な餓死のコースだった。諸病の根源は、食料不足だった」(ソロモンの陸戦隊戦記から)

 

インパール作戦と硫黄島防衛戦(『日本軍兵士』」吉田裕著、63ページ)

(インパール作戦は)「補給を無視した無謀な作戦を強行した結果、日本軍が英軍に完敗した作戦である」。 多数の餓死者や戦病死者を出したでも有名であり、日本軍の退却路は「白骨街道」「靖国街道」と呼ばれた。」

「自殺者の多さについては」(硫黄島作戦に参加した)鈴木栄之助(独立機関中台所属)は、守備隊の死者の内訳について、つぎのように書いている。

敵弾で戦死したと思われるのは、30パーセント程度。残りの7割の日本兵は、次のような比率で死んだと思う。

6割・・・自殺、1割が他殺(捕虜志願者を殺す)、2割事故死(暴発死、訓練中の死など)」

 

なんと戦闘死よりも、自殺死のほうが、2倍も多かった・・これが、皇軍の実態だった。なんと愚かな戦争指導者たち! そして、この戦争を開始(命令)したのは、トップのヒロヒト(昭和)だったことは、改めて強調しておきたい。(はんぺん)

これを読んで(戦争は、イヤだ)と叫ぶのは、間違っていない・・・・

だれでも「戦争反対」を叫ぶのは・・・ようく、わかる

しかし、この戦争を(命令)したのは、ヒロヒトだろう。

多くの日本人が、無残な死を遂げているのに、このトップは、その責任を問われることなく、戦後も、ぬくぬくと生き続けた。

それが、日本人の(戦争総括)の失敗だったと思うのだ。

 

甚大な戦争の被害から(もう戦争はイヤだ)というのは素朴な反応だ。

それ自体は間違っていない。

間違ったのは・・・・(平和憲法)だろう????

平和憲法の評価を、正確に・・・

アメリカは、日本が2度と再軍備出来ないように、第9条を入れた。

そのことは、アメリカにとっては・・・自然な流れだ。

右翼が、(アメリカの押し付け憲法だ)と非難するのは、間違っていない。

 

そして、あまりにも凄惨な被害を被った日本人の(戦争忌避)志向とも合致した。その意味では、日本人の心情から見ても・・・自然な流れだった。

日本国憲法は、このような性格を持っている。

しかし、この憲法の限界性も、ここにあるのではないか?

すなわち、戦争忌避の心情は、理解できても、この憲法では、

平和が守れないことに気づけなかった・・・ということだろう。

 

すなわち、憲法で、(戦争放棄)を宣言しても、戦争は防止できない・・・

これが、最大の問題だった。

戦後のリベラルたちは、(平和幻想)のもと、第9条を金科玉条のごとく、

振りかざして、(平和運動?)を実行してきたが、これは(的外れ)運動だった・・・と、僕は思うのだ。

 

(戦争放棄、武装放棄)で、戦争を防止できるような現実世界ではない・・・という、ごくごく自然な、正しい認識に立つことができなかったのは、なぜだろう??

 あまりにも、国土の破壊が甚大で、多くの日本人が殺されて・・・つまり、

戦争の犠牲が多すぎて、(=忌避反応が強すぎて?)、正常な理解能力を失ってしまったのだろう・・・と思う。

 それに、リベラルたちは安易に乗りかかってしまい、(間違った方針であっても)

平和に飢えた日本人の理解を(選挙などで)得られたのを、幸いに、思考停止に陥ったということだろう・・・

 

極東の緊張が続く中、戦後、長きにわたって、日本が戦争しなくて済んだのは、「在日米軍と自衛隊の抑止力のおかげ」と言うことは、あまりにも明らかだ。

リベラルたちは、現実から目を逸らし、「平和憲法のおかげ」とすり替える。

 「島国という地政学的な有利さ」も、プラスになった。日本が、今の韓国やベトナムの地にあれば、朝鮮戦争(1950~)や中越戦争(1979~)のような、北朝鮮や中国の侵略は、避けられなかったハズだ。

日本のリベラルたちの事実を直視しない不誠実な対応は、いつまで続くのだろうか?  こんなでたらめが、いつまでも通ることは、あり得ないと考える。

 

ブログで、何回も指摘してきたが、自分から戦争を望む人間は、一部の(戦争屋)、(軍需産業)であって、ほとんどの民衆は、(戦争反対)だ。

そして、その戦争を起こさせない・・・平和を守るためには、何をするべきか?という問題を、リベラルたちは、スルーしてきたのではないか?? と。

 今、中国や北朝鮮などの全体主義が、地球の脅威になりつつあるときに、日本リベラルたちの存在価値が、木の葉のように、軽いものになり果てているのは・・・そういうことなのだ・・・

 

「世界は、民主主義勢力と専制主義勢力との戦いだ」(バイデン)という中で、「第9条守れ」「安保反対」「自衛隊反対」と叫ぶことの愚を、いい加減、気づいてほしいモノなのだが・・・凝り固まった彼らの頭脳からは、難しいのだろう・・・

 (一国平和主義)を克服することがリベラル派の長年の課題でもあったが、昨今の立憲民主党や社民党などを見ていると、もはや、それは幻想と言うほかない・・・

(地獄への道は、善意で敷き詰められている)というが、これまでの彼ら、リベラルの言動を見ていると、善意者というよりも、(確信犯)としか思えないのだが・・・??   違うだろうか?

 

皆さんは、どう思われるか?      (はんぺん)






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最終更新日  2021.05.26 00:00:14
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