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2021.09.23
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カテゴリ:反戦平和

「れくいえむ」(郷静子)を読み終えた (はんぺん)

 

主人公(節子)は、僕の母とオーバーラップする。98歳の母は、今は、老人ホームで生活しているが、カチカチの軍国少女だった。住んでいた大阪の堺市で、B-29の絨毯爆撃を受けた。堺市は、まる焼け。その時の風景を見て、軍国少女は、何を見て、何を思ったのだろうか?と、思う。

 

戦争体験の多くの手記には、貴重な証言が多く、僕は、1970年前後の学生時代の反戦運動の渦中にいて、自らの戦争体験を後の世代に伝承するために・・・という事で、母に戦争体験の文書化を何度も促したことがあった。 ぼくの弟(同じく学生運動活動家)も、何度も勧めたらしいが・・・首を縦に振ることは無く、僕たちは怒ったものだった。

 

作者の郷静子は、この「れくいえむ」(1972年の芥川賞受賞作)を、1972年に出版している。あの70年安保のころだ。しかし、「先入観を持たずに読むならば、とても'70年代の小説とは思えない。 '40年代の終わり頃と推定するのではないだろうか。」(レビューの一部から)

 

(聖戦完遂)(一億玉砕)で洗脳された軍国少女を通して、困難な戦時下の生活、空襲の中で、死んでいく周囲の人々が語られ・・・自己の死で終わる・・・

 

ヒロヒト(昭和)たちに洗脳された国民の悲劇・・・惨劇だ。1941/12/8に、ヒロヒトが始めた日米開戦で、大量殺戮の幕は切って落とされたのだ・・・・

 

これは、もちろん反戦小説と僕は思うが、こういう書き方もあるのだ・・と。

主人公(節子)の仲の良い友人(なおみ)が、手紙交換の中で、書いたフレーズだが・・・「戦争のない時代に生れてきたかつた・・・・」(本文)と自分たちの世代の非運を嘆くさまには・・・・言葉が無いというものだ。

 

・・・戦後生まれの僕たち団塊の世代は、ずいぶんラッキーだったわけだ。

戦後、本土に復員した多くの兵隊(男性)が、第1次ベビーブームで、団塊世代を形成した。運命とはそういうモノだ。実父が戦死していたら、今の僕は無い・・・

 

人類の歴史は、戦争の歴史、争いの繰り返しの歴史だ・・・と以前書いた。

何故か?と、これまで多くの人によって、いろいろと論じられてきたが、人間であって、人間では無く、(生き物)であるから・・・というのが、僕には真実のように思える。

 

(理性と本能のせめぎあい)では、常に動物的本能が、勝利を占めるようだ。戦争で、失われた多くの個体は、戦後の動物的本能(性欲)により、補充される・・・

 

プロパガンダで、作り出された(大義)に煽られて(洗脳されて)、戦場に送られる大衆・・・多くが殺されて・・・失意の中、生き残った者たちが、社会再建したのもつかの間、またぞろプロパガンダが、始まり、またまた多くの民衆が戦場に送られる・・・この繰り返しが・・・

 

無数の(阿鼻叫喚)を繰り返しながら、反省の無い人類の宿命か・・・

これは、想像力の問題だろう・・・!!!

そして、(予断と偏見、思い込み)の人々には・・・伝わらないコトも確かだ。

 

皆さんは、どう思われるか?    (はんぺん)


――――――――――――――――――――――――――――――――

レビュー                               

受け止めたい少女の叫び 「れくいえむ」郷静子(文春文庫)

2021/8/16 13:36   堺市堺区 玉城屋蕭子(48)

https://www.sankei.com/article/20210816-QG47DG5AABIONJ35WBWEHZIXIY/?111118

 

私は昭和47年に生まれた。年表を見ると沖縄返還日中国交正常化とある。戦後が転機を迎えた年。ところが同じ年、グアム島で一人戦っていた旧日本兵の横井庄一さんが潜伏28年、終戦から27年後に発見され、帰還していた。戦争は終わっていなかったのだ。

『れくいえむ』はその年に発表された芥川賞受賞作である。

 

主人公の大泉節子は戦後、焼け跡の防空壕で一人で死んでゆく。数え17歳の病死だった。動けなくなり、死ぬまでの間、思い出が頭をよぎる。父、母、兄、そして友人たち。

大切な人たちを戦争で奪われ、終戦の放送に「どうして無条件降伏などするのですか」と叫んだ軍国少女は、なぜ死ななければならなかったのか。

 

小説は節子と女学校の親友、丹羽なおみとの交流、手紙のやりとりを軸に話が進んでいく。なおみの父は思想犯として獄中にあり、兄の友人らも反戦主義者だった。一方で節子は国を信じて動員先の工場で作業に励む。二人は第一次大戦を舞台にした小説『チボー家の人々』について何度も感想を語り合う。

 

友情を引き裂いたのも戦争だ。このエッセーを書いている間も怒りや悲しみ、悔しさが胸に湧き出し、涙があふれてきた。いつの時代も、しわ寄せは弱者にくる。

 

芥川賞の受賞作を年代順に読み始めてたどり着いた昭和47年。この小説は戦争体験者が描く終戦前後の悲惨さが直接的に響く。戦争が始まればもう反対の声は上げられないのだ。新たな戦争体験者を生み出してはならない。

 

「戦争のない時代に生れてきたかつた」と書いたなおみの言葉を重く受け止めたい。






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最終更新日  2021.09.26 16:29:26
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