テーマ:福祉医療関係(1061)
カテゴリ:いろんな人の話
ディサービスの送りだしに訪問すると、じいさまテンションが低い。 部屋の空気も重い。 こりゃまたディサービスに行かないって言いだすな・・・と思っていると、案の定 「 しんどい。 あの世に逝きたい。 」 と言いはじめる。 こうなると、色々話かけるとうっとおしがられるので、黙るしかない。 奥さんもいつもは横で話をするのに寄りつかない。 1人でこの空気はきついわ。^^; じいさま横でため息の連発。 でも話しかけると 「 返事をするのもしんどい。」 と拒否。 あんまりしんどそうな風情なので ( でもこれは身体じゃなく、気持ちが落ちているのだ ) 「 そんなにしんどいならディに行くのを止めますか? 」 ってきくと、 「 いや行く。」 と言う。 ハァ~ 車が来るまでも外で無言の行だ。 とにかくディサービスには行った。 行けば気分も変わるだろう。 その後は20分ほど奥さんの話を聞く。 涙を浮かべながらご主人のわがままぶりを話される。 気丈な奥さんが涙を見せるのはよっぽど腹に据えかねたのだろう。 もう80を越えているのに、ご家族も同居だが家のことは全部しているらしい。 ご主人のわがままに振り回され続けた人生で、良いことは何もなかったと言う。 「 もう逝ってほしい。」 と何回も言う。 つらい話だ。 80歳を過ぎても楽隠居とは程遠い生活。 気が休まることも、自分の時間も趣味もない生活だものね。 話を聞いて慰めるしかできない。 最後に 「 私はこうして終わっていくんやろうね。。。」 の言葉が切ない。 まさに人生いろいろ、何が良いのか悪いのかは人それぞれの価値観で違う。 元気が一番、趣味にいそしめるのが一番、家族が仲良く暮らせるのが一番。 人それぞれの一番があるだろう。 でも誰かの犠牲になって生きてきたとしか思えない人生はつらいと思う。
こういう話は気を使う。 家族の愚痴も出てくる、ご主人には早く逝ってほしいと言う。 それを聞きながら、でも同調し過ぎるのもいけない。 まして家族のことだ。 聞くというのも難しい。 苦労をねぎらうことはもちろんだが、だからと言って気休めは言えない。 細い肩をさすりながら 「 苦労されてきたんですね。」 と言うしかない。 ヘルパーの基本である 『 傾聴 』 ほど難しいものはない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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