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カテゴリ:些事
不思議な話なのですが、
やましいことは何もないのに、 いいことをするのには勇気が要ります。 以前ホテルに勤めておりました時に 私は「いいこと」をするのが仕事だと思ってました。 にこやかに出迎えるとか 丁寧なご案内をするとか そんなのはあくまでも業務であって仕事ではない。 マニュアルに載っていない何かをやる、 それがはじめて仕事となる。 みたいな。 キョソキョソしているお客さまを見かけたとき 自分から「いかがなさいましたか?」と声をかけられるかどうか。 これがまた、 なかなか勇気がいるのですよ。 声をかけろと誰に言われたわけではないのですが、 「困っている人は声をかけてもらった方が話しやすい」と感じたとき、 むらかみは己に声かけ運動を課しました。 んで、勝手に、後輩に お客さまが困っているように見えたら 「いかがなさいましたか?」と声をかけろ! と言い続けてきました。 これがまた不思議なもので、 声をかけた方がいいのは皆わかってる、 なのに、簡単には出来ないんです。 「いいことをするのにも、勇気がいる」 これが、むらかみの後輩育成の際の決まり文句でした。 キョソキョソしているお客さまを見つけたら 「よし!行け!」と 声かけをさせるスパルタ教育をしたものです…。 おお、アタシかっこいい! 過去の自分を振り返って、 なんだか自分をほめてあげたくなりました。 で、ですよ。 全然話は逸れるんですけど、 齢30近くなると、人っていろんなこと感じますよね。 むらかみ最近になって 自分のオヤジのすごさが わかってきたんですよね。 と、同時にオヤジの母親、 私にとっての祖母の偉大さがわかってきた。 昨年の自分の誕生日、 今の両親のもとに生まれたことを 本当に感謝したんです。 そして、祖母に、 私の両親を大切にしてくれてありがとう、 父を生み育ててくれてありがとう、 なんて思ってたのですよ。 でも、言えなかった。 言いたいけど、言えなかった。 一年越しです。 私の祖母は、車にぶつかられて手術をし 入院生活を余儀なくされておりまして、 一昨日・昨日だけ外泊で帰ってきておりました。 久しぶりに見る祖母はとても小さくなっており とても切なくなりました。 でも新聞読んでるあたり、 しっかりしてるんだなー。 で、一年越し、 昨日、祖母にやっと言えたんです。 「私、お父さんとお母さんの子どもで良かった」 「今のお父さんがあるのは、ばあちゃんのおかげとよ」 「私、ばあちゃんの孫でよかったー」 口にするまでは 非常にドキドキしたし緊張したし なぜだかわからないけど 本当に大変だったんです。 で、口をついて出た言葉は 考えていたことよりも おどろくほどショボい言葉なんですよね。 でも、これはこれで本当の気持ちなので 言えてよかったなーって思いました。 しかし、何も悪いことではないのに どうしていいことをするのには勇気がいるんでしょうか。 不思議です。 ←1日1クリック☆ありがとうございます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.01 08:56:40
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