|
カテゴリ:些事
私は、実は、実は、
自分のことを具体的に話すのが、苦手だ。 すべて明け透けに、むしろちょっとは隠せよ!というくらいに 自分の話をしているように思われているが、 私の中でそれは、隠す必要のないこと、である。 恥ずかしくないのである。 知られて恥ずかしいのは 自分が小さい人間だというのが露見するような内容。 でも、そういうのに悩み苦しむわけだから 誰かに聴いてほしいという思いはあって、 でもなかなか切り出せなくて、 実は、自分のことを具体的に相談するのは、苦手なのである。 「相談に乗ってほしいんだけど」と言ったくせに なかなか次のことばが出ずにいることがある。 聞くといった側は「さっさと言えよ!」とイライラする。 そのくらいに、本当は、自分のことを語るのが苦手である。 自分のことを具体的に語るのが苦手だが 胸にずっしりとある重たいものをどうにかしたく 誰かに話を聞いてほしいとは、常に思っている。 私が自分のことで相談をするのは、逆に言えば 本当に心を許している相手、である。 私は親にも、自分のことを具体的に話せない。 でも、うちの父は、 私が相談をしようと思いながらもことばが出ないときに 「もういい?じゃあ切るよ」と 電話をすぐに切ってしまうせっかちなところはあるのだが、 何気なくぽつりと言った抽象的な発信を、ちゃんと汲んでくれる。 夏季休暇中、本当にしんどかった私は つい、父に 「頭ではわかっていても、心がついてこないことって、ある?」 とひとこともらしてしまった。 父は、 「そういうときは、どこか利己的になっているんじゃないかな」 と、ポーンと返した。 その上で、 「若いときに葛藤をしながら、悩みながら大きくなるんだ。 大いに今、悩んで苦労しなさい」と。 抽象的な心の声を投げたが グッサリ胸に突き刺さる回答を返してくれた。 うちの父は、いつも泰然自若としていて 私はいつも「悩むことはあるのだろうか?」と思ってみている。 そして、「私が恋愛できないのはお父さんのせいだ」と 本気で思っていたりする。 ←1日1クリック☆ありがとうございます →むらかみメルマガ保存庫はこちら← お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[些事] カテゴリの最新記事
|