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カテゴリ:映画
仕事が休みだったので母と一緒に出かけた。
他県に住む妹と会うことになっていたのだけど、時間に余裕がありそうだったから
「ボルベール(帰郷)」を観ることに。

ここのところ、娯楽超大作ばかり見ていたので、
この手の映画を映画館で観るのは久し振り。
映画館に行く時間もお金も限られているので、「これだけは大スクリーンで!」ってやつを
吟味しないと・・・だもんね、主婦としては。
若かりし頃は週に1本くらいのペースで観ていたから
駄作にもけっこう突っ込んだけどさ。レンタルもあまり発達してなかったし。


無職の夫パコと15歳の娘パウラを養うため、働きづめのライムンダ。
ある日、帰宅すると娘の様子がおかしい。部屋の奥を見ると、
そこには血まみれで倒れる夫の姿が。
娘に欲情した父親を思い余って刺したと告白するパウラ。
ライムンダはパコの死体を隠すために奔走しながら、胸の内で自分の少女時代に起きた、
無慈悲な事件を重ね合わせていた。
その時、電話が鳴った。なんと死んだはずの母親が突然、現れたというのだ―。


平日ということもあって客席はほぼガラガラ。
観に来ているのはご高齢の方が多かったなぁ・・・。
杖をついた旦那さんと来ていたおばあさんがいたけど、この内容は
おしどり夫婦にはどうなんだろう・・・・。
帰り道、会話がなかったらいやだなぁ。(笑)

ライムンダの生活を軸に話は進んでいくのだが、なくなった両親の話が度々出てくる。
過去の経緯がちょっと複雑で最初は話が見えないところがある。
どれとどれが姉妹で、どれとどれが他人・・・?って感じで。
だんだん分かってくるのと同時に過去に起こった事件がゆっくりと結びついてくる。
「そういう関係だったのか~。」と思いつつみているうちに、
過去の重さがズッシリと感じられてくるという作りで、上手いなぁ・・と感心した。

日本の映画ならこのエピソードをもっとセンセーショナルに描いて
安っぽくなっちゃうんだろうな・・・。

けど、この映画の主軸は「生活」である。
どんなことがあっても生きていかなければいけない庶民の生活が
じっくり描かれていて、地に足がついている印象が強い。
そして、登場人物たちはそれぞれに辛い過去や誰にも言えない秘密を抱えている。
そんなところも「現実」っぽい。

そうそう、庶民ってさこんなことで頭が痛いからって仕事休んでたらやってけないよなぁ、
と妙な所で感心してしまった。

しかし、主演ペネロペ・クルスの美しさはもう狂おしいほどである。
顔より胸の方がデカイだろ!とか
その毛量はなんなんだ!とか突っ込みたくなるのだが、
生活に疲れ、それでも必死で目の前のことに奔走するひとりの主婦を
美しく見事に演じている。
カンヌ映画祭で最優秀女優賞と最優秀脚本賞を受賞しているらしいが、
文句なく納得である。

私はわりとスペインのサウンドが好きで、舞台とかも見に行っていた時期があったので
そういうのを楽しめたのも良かったかな。
検索して評価を見ると好き嫌いが分かれているようだけど、私は好きな作品で
機会があったらDVDとかでもう1回見てもいいかなと思うくらい。

興味のある人はどうぞ。
でも、どーーーしても映画館で観たほうがいいよ!って
作品じゃないけどね。
家でお菓子食べながら1人でも観てもいいかも。








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Last updated  2007.07.14 08:58:36
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