お風呂
りゅうポンとのお風呂タイムは私にとって癒しの場でもあり戦いの場でもある。うちの夫は月火木金と帰りが遅い。終電まで仕事をしているのも珍しくない。しかし、唯一早く帰ってくる水曜とお休みの土日は必ずりゅうポンをお風呂に入れてくれる。つまり残りの4日間は当然私が入れなければならないわけだ。まず、りゅうポンの服を脱がして抱っこすると必ず彼は何かをつかもうと慌てて手をバタバタさせる。1度も落とした事がないのにどうしてそんなに暴れるのか・・・むしろじっとしていてくれた方が落とす可能性がグーンと低いのに。でも彼は慌てる。時には私の胸元を爪でひっかき、時には夫の乳首さえもつかもうとする。でもこんな事にくじけている場合ではない。まず体にお湯をかける。りゅうポンの体にはあらかじめミニタオルをかけておく。シャンプーしている間に体が冷えない為だ。次にシャンプーする。元美容師アシスタントの私としてはここぞとばかりに張り切る。一応『かゆい所はないですか??』と聞いておく。もちろん返事はしない。そうやって体を上から洗って行く。彼の手の中にはどこで拾ってきたのか毎日糸くずのごみが入っている。洗おうとすると必ずグーにして開こうとすればするほどかたく握り締めるのでいつもフェイントをかけながら洗う。ここは駆け引きが重要なポイントだ。体を隅々まで洗い終わると次は湯船に入る。りゅうポンはそのままだとお湯に浮いてしまう。そこで私が無理やり沈める。そうすると大体あくびをする。のんきなものだ。入れている側の私は額から汗が流れ落ちていると言うのに・・・そしてさらに気分のいいときは『ほ~』という表情をする。それはかなりかわいい。かわいすぎて思わずほっぺにちゅ~をしてしまうがりゅうポンは必ず嫌な顔をする。ごめん。体がぬくもった所で湯船から出る。最後にお肌がカサつかないようにベビー用のクリームをエステっぽくぬってゆく。りゅうポンの風呂上りの一杯はビールでもコーヒー牛乳でもなく母乳なので急いで着替える。以上おわり。ただ一度もお風呂で泣いたことが自慢のりゅうポン。もしかしたら案外お風呂好きなのかもしれない。