♪ ぬくぬくと生きる吾あり自ずから大海に出し奴の首筋
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先日、NHKの「ダーウィンが来た」でヤマメとサクラマスの驚くべき生態を知った。
ヤマメとサクラマスが同じ魚だという事は薄々知っていたが、その生態までは知らなかった。全く同じ条件で生まれてくるのに、成長過程でその行動が二手に分かれていく。
餌を求めて活発に動き回るのと、流れの緩い岩の陰でおこぼれちょうだいという感じであまり餌を追い求めないやつと。当然成長の度合いが違ってくる。逞しくなった一団と、小さくてひ弱な一団が出来上がる。
そうして二つの生き方がここから分かれていく。片方の一団が川を下り始めるのだ。海へ向かって。
驚くのはここからだ。この海へ向かう一団はあの逞しく育った連中ではなく、ひ弱な方の一団なのだ。ひ弱でも流れに乗って下って行くのだから、それほど大変な旅程でもない。途中で海水に対応するために、鰓の機能を変化させる。そういう仕組みが当然のことに出来上がっているのだ。
しかし、どうして彼らがわざわざ塩分のある全く違う環境の海にまで行くのか。どうやら海の方が格段に餌が豊富で、海水に対応さえできれば余程海の方が生き易いということらしい。
アユやサケも同じ理由で海に下るのか、その辺りの事は確認していないが多分そうなのだろう。
海へ出て豊富な餌をたらふく食べ、広い海で生活していれば自ずと強靭な体力も養われる。大型の銀色に輝く姿は幼魚の時とは似ても似つかない全く違うものに変わって、再び生まれた川に戻って来る。
この頃には、体の模様が銀色から徐々にヤマメの模様に戻りつつ、直にあの赤い婚姻色に変わっていく。
滝を登り、クマに襲われ、浅瀬を抜けてようやく元の生まれた場所に戻る姿は、痛々しくもあり晴れがましくも有る。
そうして愈々産卵のための準備に入って相手選びの段になると、あの地元に留まった活発で鳴らした一団が待ち構えている。その体型の違いは目を見張るほど。陸封のヤマメは冷たい清水で豊富とはいえない餌では所詮大きくはなりえない。釣りの世界では”肘叩き”と称して30cm級のものを称賛するらしいが、それは余程良い環境の場合であって、養殖もの以外では中々そこまでは育たない。
そして、産卵の段になると、このヤマメがサクラマスの産卵の最中に割り込んできて一緒に産卵行為をするのだ。このどさくさまぎれの便乗産卵の行動が、結果的に同じ卵として成長するという事になる。
同じ種類の魚とは言え、生まれて間もなく活動が二手に分かれるというのは、ハナからDNAのほんの一部が違っているのではないか。そうで無かったらこうも明確に二通りに分かれるはずがない。その中間でウロウロする奴も出てくるはずだが、それがないのはそういう事なのだろうと、私は解釈したが・・・。
”可愛い子には旅をさせよ”か。今、海外で活躍しているスポーツ選手は、ほとんどが日本で実績を上げた人だ。このヤマメのタイプがそのままサクラマスになっている様なもの。
スポーツ以外では結構いるんじゃないかな。日本では評価されずに海外へ活動の場を移し、向こうで評価されて凱旋帰国というパターン。
もっともっと日本人は海外へ出て行くべきだと言われて久しいが、現実はなかなかそうはなっていない。企業ばかりが出て行くというのは何だか淋しい。
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
☆短歌集「ミソヒトモジ症候群」円居短歌会第四歌集2012年12月発行
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sunkyu
日本の四季と日本語の美しさ、面白さ、不可思議さ、多様性はとても奥が深い。日々感じたことを「風におよぎ 水にあそぶ」の心持ちで短歌と共に綴っています。 本業は染色作家
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
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