歌 と こころ と 心 の さんぽ

♪　手遊びの楽しからずやものを生み世事疎くして吾がままにして

　一日の時間をほぼ100％を自分のために使える幸せ。半年が過ぎてその時間にも余りが出て来た。翌日に繰り越せればいいがそうもいかないので、ダブついた部分を上手に消化する必要がある。


　♪　毎日が日曜日となりて半年の過ぎて時間を持て余し初む


　まったく贅沢な話だ。汲々とした日々を送っている人が聞いたら半殺しにされるかもしれない。
　とは言ってもやりたいことは沢山ある。それらを順に当たっていけば時間なんていくらあっても足りないってもんだ。



　読書の秋だからという訳でもないが、製本の続きをやることにした。短歌会の歌集を昨年の11月に創って以来何も創っていない。カミさんにオリジナルの家計簿を創ってやろうと思っていたが都合で取りやめになったりで、ほぼ一年振りだ。もう一年も経ったんだなあ。
　手順やら要領を忘れてしまっているかも知れない。まあやっていく内に思い出すだろう、慌てずにやれば何とかなるだろうと思って早速取り掛かった。

　今回創るのは「白い本」。罫線も何もない白紙だけで一冊になっている自由帳のような本だ。目指すは「角背」「糸綴じ」の「上製本」。短歌の本の時は、原稿の都合で「糸綴じ」が出来なかったので、今回は是非この方法にチャレンジだ。
　「糸綴じ」製本は手間がかかるが大変丈夫な本に仕上がるため、高価な本は必ずこの方法で作られている。
　
　たまに、厚目の用紙を使ったカラー本が、何度も見ている内に背の部分から外れて、バラバラになってしまう事がある。それは簡易製本で束ね口が糊で貼り付けてあるだけなので、その部分が劣化して外れてしまうのだ。

「無線綴じ」簡易製本でバラバラになることが有る。

　「糸綴じ」は、ある枚数ごと重ねた紙を糸で綴じて重ね、その部分を更に糊で固めるという手の込んだもの。その糸綴じに手間がかかるのだ。手引書には大まかなことしか書いてないので、自分なりの方法を見つけてやっていくしかない。その為に時間は掛かるが、要領とコツがよく分かってくると楽しくなって来る。

糸綴じの済んだ状態。この部分に補強の和紙と寒冷紗を貼る。

　　

栞ヒモと花布を着ける。
天地の両サイドに付ける赤い飾布（花布）も手作りだ。

　何とか糸綴じも出来、補強の和紙、寒冷紗を貼り付けて期本の形が出来上がった。が、痛恨のミスをしてしまった。何を思い違いしたのか、扉の紙を外側（見返しの部分）にセットしてしまった。最終的にはこの紙は取り除くことになった。

　
表紙に厚紙の芯を貼り付け、四方を折り返して貼る。

見返しを表紙の裏に張り付けて作業は終了（この作業が一番気を使う）。

完成　三度目の正直で今回の出来がが一番いい。
不手際があった割には綺麗に出来上がったので大満足。

この通りの「白い本」　さて何を書こうか。

　　♪　製本の腕を磨かむ吾がために創りあげたるホワイトブック



　今回は製本用の紙が余っていたのでそれを使ったが、コピー用紙などを使って、もう少し簡易な製本方法で幾つか作って見ようと思う。表紙に凝るのも楽しそうだし、いろんなアイデアが湧いてくる。サイズも横長が有ってもいいし、真四角のものや三角の本があっても面白そうだ。
　製本技法も色々あるし、折角だから、量産するには向かない手作りならではのものを作ってみたいと思う。

◆２００６年５月８日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、２００９年２月中旬より再スタートしました。
◆２０１１年１月２日からは、楽歌「ＴＮＫ３１」と改題してスタートすることにしました。◆２０１４年１０月２３日から「一日一首」と改題しました。

★ 「ジグソーパズル」　自作短歌百選（２００６年５月～２００９年２月）

☆短歌集「ミソヒトモジ症候群」円居短歌会第四歌集２０１２年１２月発行

●「手軽で簡単絞り染め」