♪ 文体が雲の切れ間ゆ降りてきぬ町田康とふ星の瞬き
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外に出しておいた観葉植物を防寒の為に取り入れねばならないなあと、爺はふと思う。急に寒くなったからで、爺は大概寒さが嫌いと、ヨブ記に書いてあるとの情報をフェイクと知りつつ受け入れる。
なので何だか気が急く感じがしたものの、今週は冬型に似た気圧配置だったものが緩むらしい。とはいうものの、スコンと抜けた青空になることはなく、ウィンディでペスミスチックな一週間となるらしいぜょ。
全体を水蒸気が覆って鬱という字が漂っている様なスッキリしない空をセッティングしてきた天の支配者。そこへ、西から南海岸を雨雲を東に移動させて、ちょこちょこと雨を降らせる計画らしい。
最低気温を14-15度で推移させ、最高気温も20度以上を持続させるという、爺には顔のしわも緩む知らせが気象庁に届いているらしい。
ちょとっとまだ時期的には余裕がある
ほんでもやりかけたことを止めたら爺が廃る。屋内に取り込んだ背の低い観葉植物の台にするのに、何かいいものは無いかと探したら、有った。探してみるもんだ。佐賀設楽熱田なんてねぇ。
机というか小テーブルらしきものが、物置に土ぼこりまみれになって裏ぶれて悪しき気色に包まれていたゎ。
確か、長男が学校の何かの課題に作った15年ほど前のもの。よくも御無事で生きておられたものだ。光陰人を待たず、小テーブル我を待ちおり。
雑巾で拭いて汚れを落とすも、そこはやはり肥料や赤玉土、腐葉土だのなんやかんやが一緒くたに押し込んである所の、その台にされていたものだけに往年の姿は影を潜めて、まあ薄汚い。
これじゃあそのまま部屋に置くのは、美意識をもって淫靡に生きるわれと手も気が引けるというもの。いっそ化粧を施して新しく生まれ変わってもらおうじゃないか。
どんなテーマの課題か知らないが、段ボールが組み合わされていてちょっと面白い姿をしていらっしゃる。先ずは、天板にグリーンを塗って様子を見る。いいじゃん。
次は何をしてほしい? うむ、脚をきれいにしてほしいって? そうか分かるよその気持ち。美脚秀麗、眉目秋冷っていうくらいだから脚は大事だ。美しくあらねば。
しかしよくよく見ると、木工用ボンドが接着面からはみ出たり飛び散ったりしているのが見える。意外に盲点になってるこのボンド跡。塗装をしない場合は問題ないなかったものが、いざ塗装となった時に接着作業の不手際を暴露する様に、その因業な正体を現してくる。
ボンドがついているところは塗装が弾かれ、そのままボンド痕が白子のように残ってしまうのだ。アナ恐ろしや。であるからして、その部分を避けて塗装するようにデザインを考えねばならない。美意識を捨てるか歪曲かし、自我を殺して堅忍にして撓ず。
で、結果は上の写真の通りになったという次第。
当然、キャスターも取り付けてある。
イタリアンに和の食材を使ったごとく、段ボールがなかなかいい面白い味を出している。芸大では時代の先の先を考えて既成の枠を超えるものを思考する。その中の一つに軽量とコスパを考えるものが有ったのか、爺にはあずかり知らぬこと。
取りあえずは蘭の鉢を置いてみたが、爺と同じ寒がりはまだ他にもある。本格的な寒さが来る前に取り込んで、爺の気分と鉢の機嫌を重ね合わせて沈思黙考してみようっと。
文体が、三日前から突如変わた。空から何かが降りて来ているらしい。
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