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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2018.11.14
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カテゴリ:みそひともじ

♪ 大勢に惜しまれながら逝く刹那 価値極まりてなほ悲しけり


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 先の知多市民俗資料博物館での法海寺創建1350年特別記念展で、愛知県指定文化財の涅槃図も展示してある事を描き洩らした。

 涅槃図は、釈迦の涅槃すなわち入滅 (死) の情景を表わした図。
 双樹下の宝座に北を枕にし,右脇を下にして横臥する釈迦を取囲んで、菩薩、天部、弟子、大臣などのほか、鳥獣までが泣き悲しんでおり、樹上には飛雲に乗って、臨終に馳せ参じようとする仏母摩耶夫人の一行が描かれている。
 日本では平安時代以降、涅槃会の盛行に伴ってその本尊である涅槃図が制作されたそうだ。なかでも高野山金剛峰寺の応徳3 (1086) 年銘のものが最古のすぐれた遺品だそうで、以後、鎌倉時代を中心に大小多数の遺品が残っているという。


涅槃図(室町時代初期)縦214cm(法海寺-展示品)


 涅槃図と言えば知多市にもう一人、加藤不譲という今では稀有な存在となった文人画家を書いておかねばなりません。岐阜県関市の照慶寺の依頼を受けて、2016年に釈迦涅槃図を製作されています。絹布に日本画の技法によって、繊細な筆致で描き上げられています。

 原本を基にしているとは言え、水墨画を主な表現手法としてきた人にとって日本画の材料で極彩色のものを描くのは困難を伴うものと推察できます。ましてや、文人画という技巧や芸術性から離れた世界に生きる不譲氏にとって、対極にある表現手法を求められるものであるだけに難しい。
 それを見事に描き上げてしまう技量は大したものでしょう。書も篆刻もこなし、陶彫で千字文などを成して来た人だからこそできる離れ業と言えるかもしれません。



(クリックで拡大します。)

 水墨画から文人画へとその境地を展開されて、八面六臂の活躍をされてきました。その最も特徴的なのは、来賓や観衆によって入れられた線を絵の中に融合させながら、目前で揮毫実演を披露しながら襖絵を完成させるというところにある。
 静と動を融合させるように、その時その場に湧出した気韻を一気呵成に描き留めるという、常人には考えられないパフォーマンス。国内外の様々なシチュエーションで成し遂げ、多くの実績を積み上げて来られた。画歴をご覧になればその活躍のあらましが分かります。



ご本人には無断で、一部を抜粋したものです。(拡大します)



涅槃図の前で


 涅槃というのは、梵語のニルバーナを漢字にあてはめた語で、このニルバーナというのはもとは「消滅する」という意味。すべての煩悩が消滅して悟りを完成させた境地を指している。 或いは「吹き消す」こと。煩悩を吹き消し迷いを滅却した状態、転じて釈尊の入滅を意味するようになった。釈尊の死を「涅槃に入る」というのはそのためなんだね。

 画面中央に宝台に横たわるお釈迦様を描く。『涅槃経』に「頭北面西右脇」で涅槃の境地に入られ、その証拠に全身が金色に輝いていると記されているんだとか。
 お釈迦さまの枕元の木に描かれている赤い袋が、摩耶夫人がお釈迦さまのために投じた薬の入った袋で、「投薬」という言葉はこの故事が元になったとも言われているとか。この薬は摩耶夫人の願いもむなしく、お釈迦さまに届く前に木に引っかかってしまったという事らしい。


「頭北面西右脇」涅槃の境地に入られた証拠に全身が金色に輝いている。
 
三重・中山寺蔵          岐阜・少林寺蔵

 宝台をかこんで生えているのは沙羅の樹で、二株づつ計八本ある。 この樹は常緑樹なのですが、釈尊の死に際して突然白く変色したというので、向って右側三本は葉が白く変色しており、中央の二本も白くなりかけているように描かれている。

 画面右上部に、雲に乗ってこの場へ向かっている一団があり、 中央が摩耶夫人で、四人の天女が付き添っている。 摩耶夫人は釈尊の生母で釈尊を出産して七日後に亡くなり、忉利天という所に生れかわっていたが、釈尊の死を聞いて忉利天から駆けつけて来ようとしているところらしい。 先導しているのは釈尊の弟子阿那律尊者で、宝台の手前で、手を投げ出して倒れている。

 釈尊の最後のお説法があるというので、たくさんの動物たちが集って来ている。虎や象、水牛といった日本には棲息しない動物や、空想の動物も描かれている。彼らは平常は互いに喧嘩したり、喰いつ喰われつしたりしているが、このときばかりは争うことなくみな一様に釈尊の死を悲しんでいる。 

 とに角、様々な涅槃図が存在していて、釈迦への信仰心は広くて深い。


グーグルの検索画像のほんの一部







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最終更新日  2018.11.14 08:14:37
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