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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2018.12.12
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カテゴリ:花・生物

♪ 櫨紅葉愛でるでもなく裸木に実を採りいたるさびしき男(おのこ)


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


 N氏は、借りたままになっている高枝鋏を返さないといけないと思っている。それで、見つけてあった櫨を採りに行った。まだ、葉をつけていたので、かぶれるのを恐れ、葉が落ちるのを待っていたものだ。もうちくわぶもブツブツの痒いかゆいはこりごりだ。誰も採る人など無いのだから慌てることもないのだ。

 下草が長く生い茂っている中に、3本の櫨の木がたくさんの実をぶら下げて立っている。細い篠竹の一種が密集して横になっていて非常に歩きにくい。その中に、大きなセイタカアワダチソウが何本も立ち枯れている。それらを脚で踏み倒すようにして、一歩一歩踏み込んでゆく。

 高枝鋏の届く範囲だけでも、1本の木でそこそこの量が採れた。他の木へ移動するのも厄介なので切り上げて帰ろうと移動を始め、数歩進んだところで何かに引っ掛かった。セイタカアワダチソウに高枝鋏が引っ掛かり、どうした訳か、把手部分が抜けてしまった。
 おいおい、借りものだぞこれは。彼は少し焦った。




 ワイヤーがスルっと抜けて出て来るので、ワイヤーの取り付け部分が外れたのだろう。どんな構造になっているのか彼には皆目見当もつかない。柄を伸ばしても縮めても同じようにカットできるのは何故なのか、その構造が分からない。
 まあ、分解大好き、修理大好きな彼の事、何とかなるだろうと高を括っている。借りたお礼に、ついでに刃も研いでおきたいと思ったりしているわけだが、しかし、早急にやる仕事が一つ増えたと一瞬だけ顔を曇らせた。


 で、さっそくいじってみたらアッサリ直ってしまったらしい。せっかく意気込んでいたのに、ガッカリしている。それはウソだ、ホッとしているのが本当のところだろう。
 手元の部分のねじれを直して押し込んだら、ちゃんと刃の開閉が出来ることが判明。なんの事はない、壊れても、どこも外れたりもしていなかったらしい。

   

 一応、構造がどうなっているかは把握しようとしたらしい。
 それで分かった事は、二重になったパイプの内側と外側にワイヤーが通っていて、伸縮に対応する様になっている。その太いワイヤーをどこかで固定しないとそうはならないので、それが分からなかった。


かなり太く、3-4mmある。
 よくよく見ればストッパーの真下に通っているワイヤーに切り込みがあり、そこにストッパーの爪が引っ掛かるようになっていた。これなら伸縮自在にして刃の開閉が出来るというわけだ。
 



 紅葉の美しい櫨は歌に詠まれることも多く、幾つかそんな歌を記しておきます。

 *櫨紅葉(はぜもみじ)女人その後の旅いかに     飯田龍太

 *山にこそ降る雨しづか櫨紅葉             中村汀女

 *櫨の実のしづかに枯れてをりにけり         日野草城

 *櫨の実に鷹ひと粒の空となる             庄司圭吾

 *風吹けばくれなゐの葉のしきて散る黄櫨の林にわれは立ちけり
                           今井邦子 
 *鶉なく交野にたてるはじ紅葉ちりぬばかりに秋風ぞふく
                    『新古今集』 藤原親隆
 *山ふかみ窓のつれづれとふものは色づきそむるはじの立ち枝
     洛北大原に住む友寂然に宛て、高野山から贈った西行の歌。
 *白雲はしづかに在りき火を擧ぐるひとむら黄櫨の赫さ目に燃ゆ
                    『異本 橙黄』 葛原妙子
 *島山の櫨のもみぢの美しき朝をいでゆく真熊野の舟
                     『滄浪歌』 岡野弘彦
 *つくづくと櫨の葉赤く染みゆけど下照る妹の有りと云はなく」
                亡くなった妻を詠んだ檀一雄の歌
 *わが国は筑紫の国や白日別(しらひわけ)櫨多き国母います国
                           青木 繁







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最終更新日  2018.12.13 09:38:41
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