♪ 子どもとは未知に戯(たわぶ)れ道なきを生きる遊(すさ)びの天才をいう
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どんどんほぐれてきた蒲の穂。これをいつまでも玄関に置いておくわけにはいかない。この際、孫にその驚異的な姿を見せてやろう。
玄関の外へ持ち出して、先をぐりぐりっと捻ってやると、ぶわーっと膨らんで飛び出して来る。
「うわー!」と、驚いている孫に持たせて・・・。
ぐわっと広がったのを振り回しては、辺り一面にまき散らす。全身毛だらけ種だらけ。
1本の蒲の穂には大量の種(約35万個)が、綿毛と共に圧縮されているのがよく分かる。
玄関はもわもわと雪が積もったようになった。箒で掃いてもフワフワと宙に舞って逃げてゆくばかり。こりゃあ片づけるのが大変だ。
昔、バイトで名菱倉庫で扱ったことのある100キロの原綿の塊をイメージする。カチカチに固めて鉄のバンドで梱包された原綿。そのバンドを外した瞬間に、この何千何万倍のスケールで、爆発的に部屋中に広がるのだろう。
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「蒲」は、比較的水深の浅い場所に生える多年草で、早ければ5月から6月頃から花の穂がつきはじめる。はじめ苞と呼ばれるものにくるまれていて、開花とともに苞は自然に脱落する。
花の穂は上下に分かれ、上が雄花の穂、下が雌花の穂になっていて、雄花の穂が開花とともに大量の黄色い花粉をまき散らす。
雌花の穂が受粉して、成熟しながら次第にこげ茶色になり、フランクフルトのような独特の姿になる。蒲の穂と呼ばれ、晩秋から初冬にかけて弾け、綿毛つきのタネを大量に飛ばす。
蒲の穂は、その全部が綿毛の付いた実の集まりなんだね。乾燥すると綿毛が空気で温められて膨張し、ぶわっと弾けて飛散する。何とも凄い機能を手に入れたもんだ。
火打ち石で火を付けていた時代には、穂綿に硝石をまぜてほくちとして用いることがあったらしい。蒲の穂を乾燥させて、蚊取り線香の代用として使われる事もあるとか。
確かに、何かに使いたくなる気持ちは良ーくわかる。
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