♪ ひょろひょろと捩れ捻じれてぷちぷちと小花咲かせて古希となりたり
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ネジバナ(捩花)、別名モジズリ(綟摺)というこの花はランの仲間。山野草ブームの時、その楚々として捩じりながら小さな花を付ける姿が可愛くて、盗掘が相次いだらしい。
私も近所の人知れず群生しているのを見て、いたく感動したのを覚えている。生まれ故郷の茨城で見たことがあったが、愛知に越してきた当初はどこにもなかった。それがある時期から目に付くようになり、あちたこちらで見かけるようになった。初めはそれを不思議に思いつつ喜んでいたが、どんどん増えて珍しくも何ともなくなった。
どこかの移民が大量に移住してきたような感じがしないでもない。
ウォーキングとか散歩の人ぐらいしか通らない場所なので知っている人は少ないかも知れない。家の近くなのでこの時期になると一度はウォーキングでここを通るようにしている。 地図、拡大します→
私も一株採って来て鉢植えにしておいたら根付いたのは良いが、数年経ってもこんな風にひょろっとして美しくない。
2016年6月26日 あまり環境が良くない(日当たりが悪い)のでどうしようもないところも有る。
取りあえずあり合わせの鉢に植えて様子見していたままだったので、今年の春に株分けをしてまともな鉢に植え替えてやった。
2019年5月11日 移民が移住先で転居を余儀なくされて、ようやくその環境にもなれて真っ当な生活が出来るようになったような風で、こんなに立派にな株になった。
たくさんの茎をのばして咲き出したのは良いが、やっぱり日光不足で相変わらず徒長気味でひょろ~としている。
春先までは良いが葡萄棚に葉が茂ってくるとどうしても日が当たらなくなってしまう。
螺旋は、右巻き左巻きとあり一つの株でも両方が出たりするらしい。花の付き方や捻じれ方もいろいろらしい。こういう風に捻じれて咲かせる意味はどこにあるのだろうか。
コハナバチのような小形のハナバチなどが花粉塊を運んで他花受粉するらしいが、ハナバチはこういう風に捻くれた花が好きなんだろうか。たまに白いのも出現するようだ。
同一個体の長期的栽培は非常に難しいことが知られていて、放任状態で何年も健全に育っていても、植え替えて土中の共生菌との関係を攪乱すると、開花結実した時に養分を使いはたして枯死してしまうことがあるという。
同一個体を長年にわたって栽培している事例はほとんど報告されていないというから、我が家のネジバナもいずれは枯れてしまうようだ。
写真は(2015年7月3日)で時期がちょっと遅い。
向こうの方までずーっと続いているのが分かるでしょうか。
もともと自然状態でも個体の寿命は短くて、新しくできた裸地に種子がとびこんで生育し短期間で世代更新を続けているらしい。そのため消長が激しく、造成地などに短期間で大群落が形成されることもあれば、それが数年で完全消滅してしまうこともあるらしい。
我が家の近くの群生地はアスファルト通路の両脇で車は入れないが、年に数回、業者が機械で草を短く刈ってしまう。自生状況が安定しないということから考えると、ずっと同じ状態を保っているのだから理想的な環境なのかも知れず、案外貴重な場所なのかも知れない。
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