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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2019.10.19
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カテゴリ:花・生物

♪ まだ裂けぬ三葉木通(みつばあけび)を目にとめて    
              小振りの郁子(むべ)の下をくぐりぬ


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 朝のウォーキング。住宅地の家の塀の上からアケビの蔓が顔を出して、まだ青いぷっくりとした実がいくつかぶら下がっているのに目が止まった。紫色の顔をしたちょっと間抜けな口裂け女のように、真ん中からパカっと口を開けてぶら下がっている姿を見るのはまだ先の様だった。
 そこから1キロほど先のパークロードにムベの蔓をアーチ状に這わせたのがあって、そこにもまだ小さめのアケビに似た実がいくつかアーチの上部にぶら下がっていた。こちらはアケビと違って実が裂けることはない。

 しかし何で、アケビに「木通(通草)」という字を当て、ムベに「郁子」という字を当てるのか。いわれを知らないので何を意味しているのが分からない。それが却ってこの二つの実に何か特別なイメージを浮かべてしまう理由だろう。
 義姉の名が「郁子」でもちろんムベなんかじゃないが、気分にムラがあって虫の居所が悪いときのイメージは確かにあの赤紫色の裂けた実のような感じかもしれない。

 昔、こんな歌を詠んだことがあった。

 ♪ お礼にと木通(あけび)をそっと差し出すはうす紫の老いらくの恋


 ムベ(郁子)は、●アケビ科ムベ属の常緑木本。別名トキワアケビと言い、漢方薬としてはヤモクカ(野木瓜)と言う。わが国の本州、関東地方以西から四国・九州それに台湾や朝鮮半島南部、中国に分布し、暖地の山野に自生している。ツル・葉・茎をアケビと同じように、むくみなどに用いられ、駆虫には乾燥果実・茎・葉を煎じ服用するらしい。

 
花は花弁では無く萼片が並んでいる。花からしてやはりちょっと変わっている。

 

 これに対して、アケビの方は落葉低木なんだね。そういえばパークロードのアーチは、テイカカズラと同じように冬でも緑の葉が茂っている。
 花の様子が全く違うのも似て非なる植物という感じだ。

 
左がアケビ、右はミツバアケビの花

 
左がアケビ、右がミツバアケビの実

 アケビは食用にもなるが味が淡白で物足りない感じがするが、最近は健康ブームのせいか沢山栽培されていて立派なものが市場に出ているようだ。
 東北地方を中心に山里に広く自生しているアケビだが、生産量は山形県がトップ。数は少ないが長野県南部の飯田市でも栽培されている。9月が最盛期といい、最近は果肉の特徴である"ほろ苦さ"を生かし、炒め物・てんぷら・詰め物料理などに用いられているとか。


長野県南部の飯田市大瀬木


こうなるともう高級食材の趣だ
 






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最終更新日  2019.10.19 09:30:08
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