♪ 母親の気分で差し出す指先をオッパイほしい仔猫が吸いおり
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相変わらずピピとアランの関係は犬猿の仲のごとく具合が悪い。
ピピが食べている時は大人しくしているアラン。後ろで静かに眺めているかお尻の匂いをかいだりしている。腹の下に潜り込んでオッパイを探すような仕草をする時もある。しかし、食べ終わると、狂ったように飛びついていくのでピピは堪らず走って逃げる。そんなパターンがずっと続いている。
こんなツーショットは滅多に撮れない。 ピピは外に出てしまうので時間差が出来てしまい、一緒に餌を食べる機会がない。たまに腹が減って帰って来たピピとアランの給餌が一緒になることがある。たまたまそこ居合わせてカメラが傍にあったという偶然が重なって、この貴重な画像が撮れた。
アランも食べている時だけは大人しいのだ。
いつもはこんな具合で、にらみ合いの後取っ組み合いになる。アランが背中に載って噛みつくが、ピピは決してやり返したりしない。せいぜい猫パンチを喰らわすぐらいなのでアランはまったく怖くない。却って激しく喰らいついていくのでピピは堪らず逃げ出す。スッとんで行くピピを追いかけ回すというパターンの繰り返し。
ピピも本当はストーブに当たりたいのに、アランがいるのでそれが出来ない。この寒い冬空下に出て行くしかない。大人と子供のこの真逆の立場は西洋の童話にありそうな、ペーソスを感じさせる有様でちょっと悲しい。アランは自分が悪いとも知らず、ストーブの前で一人淋しくするばかり。
人間でいえば9歳に近く、体重は4㎏になっている。
朝、パソコンの前に座ればやって来て膝の上に乗るアラン。この風景は見覚えが有るでしょう。そう、ついこの間までピピがやっていたこと。アランが来る前までの間は。
ピピが我が家に来たのは2011年の9月。アランが来たのが昨年の9月。ほとんど同じくらい(1歳半から2歳)のチビちゃんだった。“8年の時間差をもって同じことが繰り返されている” というこの不思議。
ただ個体差というのはハッキリあって、その性格は全く違う様だ。小さい時のピピもかなりやんちゃだった。その点は同じだが、アランのようにオッパイを欲しがるような事はなかった。
アランは未だに指しゃぶりが治らない。歯が生えて立派になりつつあるというのにだ。寝る前に布団に入ってきて猛烈な勢いで指にしゃぶりついてくる。前歯を閉じたその僅かな隙間から吸うのだが、どの指が良いかを探りながらなので右手も左手もまさぐられる。唾液でべちゃべちゃになるし、前足の爪を立ててぐいぐい押しながらなので痛い。
思うに、ピピが指しゃぶりを誘発しているんじゃないか、ピピがいなければそんなことはもうしないんじゃないかと。あのモッコりしたピピの体つきは母ネコそっくりなのかも知れない。
寝る前には必ず母ネコに抱かれていたのかも知れない。私は指をその代償行為のため、昨夜は眠る前の10数分、今朝方の数分間、母親になった気分で差し出すのだった。
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