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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2020.02.05
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カテゴリ:読書

♪ 鏡花譚に時をささげる暖冬の月ぬったりとまるみを帯びぬ


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 泉鏡花が好きで「鏡花幻想譚」2を借りてきた。明治35年に発表されたものだが、新字新仮名づかいで書かれている上、すべてにルビが振ってあるので読むのには困らない。
 それでも独特の文体と文法で、ちょっと難解なところも有ったりするが、それがまた面白いのです。内容よりもその字面というか文章そのものが芸術的で読めば読むほどその魅力が露になっていく感じがして、言葉そのものに興味がある私にはとても読み応えを感じられて楽しいのです。


鏡花幻想譚

 短編が4つ(女仙前記、きぬぎぬ川、薬草取、海異記)載っていて、フレーズの丁寧な解説まで入っているが、それは無くても良いかなと思う。特に印象深いところをコピーしたので載せてみます。
 一度も彼の本を読んだ事のない人にとっては何とも難解な文書に思えるに違いないが、句読点で句切ったフレーズが畳みかけるようなテンポで進んでいく、そのスピード感が心地いい。


拡大します

 文末の所々に入る七五調がその心地よさを浮き立たせ、小気味いいリズを生み出している。町田康の文章にも相通ずるものがあるが、簡潔で余分な言葉を削ぎ落した鏡花の文章とは随分違う。
 夜叉が池、高野聖、天守物語は文庫で読んだ。まだまだ読んでない作品がたくさんある。それらは「青空文庫」にたくさん収録されている。
 新字新仮名のものが多いが、新字旧仮名、旧字旧仮名のもある。作品によっては両方載せてあるものも。今の段階で208作品を閲覧できる。借りた本にある「薬草取」が載っているので、その冒頭のところを・・


「青空 in Browsersで縦書き表示。PC、スマホ、タブレット対応」 拡大します

 読もうと思えばいつでも読めるわけだが、パソコンやタブレットで本を読むというのはどうも好きになれない。本を広げて栞を挟み、時に数ページ戻って読み直し、疲れて伏せて、コーヒを飲み、テーブルで、炬燵で、ベッドで、その日の気分で色々と。

 *小村雪岱による装丁の豪華本をいつか読んでみたいものだ。


 日本人はストーリーばかりを追って読む人が多いらしいが、文章そのもの、言葉に込められた意味、作者の内面などストーリー以外にも本を読む醍醐味があり、そんなところに引っ掛かりながら読む私は読むのが非常に遅い。
 ちょっと長いのを借りて来ると読み切れなくて、延長することが少なくない。その点、今回のような短編集はいくら難解な文章でもわけはない。 






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最終更新日  2020.02.05 10:33:46
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
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