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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2021.12.05
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カテゴリ:読書

♪ 知られざるもの多くして神秘なる付加価値もちて死にゆくもよし


 昨日4日のつづきです。どうしても書いておきたかったのがまだあってのことで、どうぞ悪しからず。

 パガニーニは同時代の音楽家(ツェルニー、ロッシーニ、シューベルト、ベルリオーズ、ショパン、シューマン、リスト、ブラームス、ラフマニノフなど)、そしてそれ以降の音楽家に多大な影響を与えている。当時の演奏を聴いた著名な音楽家(作曲家)の逸話が残されていて、それだけ見ても如何に彼が凄い音楽家だったかが分かります。

「パガニーニの影響を受けた音楽家たち」
■フランツ・リスト:
『私は“ピアノのパガニーニ”になる』
 ウィーンでパガニーニの演奏を初めて聴いた若き日の青年リストは、その神業的なヴァイオリン演奏妙技に衝撃を受け思わず、ひと目もはばからずにそう叫んだという。 その後、一日の半分を練習室ですごしひきこもるようになる。 毎日ピアノの猛特訓に明け暮れ、超絶技巧の世界にのめり込んでいったリストは やがて、≪パガニーニのラカンパネラの主題による華麗なる大幻想曲op.2≫ を作曲している。

フランツ・シューベルト
『こんな桁違いの天才は、もう二度と現れないだろう!』
 パガニーニの超絶技巧を見終わったシューベルトがこう叫んだと伝えられている。それは1828年3月29日のウィーンでの出来事であった。その時演奏された作品は「ラカンパネラ」の原曲、「ヴァイオリン協奏曲第2番 ロ短調 op.7」だった。

ジョアキーノ・アントーニオ・ロッシーニ
 オペラ王として一世を風靡したロッシーニは、生涯たった三回しか泣かなかったが、その一回はパガニーニの演奏を聴いて号泣した時だった。

ロベルト・シューマン
『若いイタリア人作曲家の中でも最高水準』
 彼(=パガニーニ)の作曲した「カプリース第2番」の主題だけでも、芸術家としての地位はゆるぎないものだと悟った。シューマンは法科大学に在籍し、法律家になるか音楽家になるか悩んでいた。彼が音楽家の道を選ぶきっかけとなったのが、フランクフルトで聴いたパガニーニの演奏だった。
 晩年、精神異常をきたして、真冬のライン河で投身自殺を図り精神病院に収容されたシューマンが、死の直前に最後の情熱を傾けたのがパガニーニの「24のカプリス」のピアノ伴奏付の編曲だった。

フレデリック・ショパン
 ショパンが19歳の時が初めての出会いで、ワルシャワでの11回の公演のほとんどすべてを聴きに行っている。初期を代表する技巧的な作品「12の練習曲集」作品10を書かせることになった最大の動機は、パガニーニの超絶技巧だったと見られている。

カール・ツェルニー
『世界中どこを探しても、あの青白い病弱な男ほどヴァイオリンという楽器でたくさんのことをやってのけた芸術家はいない。かれはどんなピアノよりもうまく高音のパッセージを弾きこなしたが、あの純粋で透明な音色はピアノならばモシュレスかカルクブレンナーほども名手しか実現できないものだ。あの感激は一生忘れない。一度聴いた人は誰しもがそうに違いない。』

ヨハネス・ブラームス
『ヴァイオリン作品としては当然のこと、音楽作品としても偉大な才能』
 パガニーニの「カプリース」を聴いて、こう述べた。

エクトル・ベルリオーズ
『まるで彗星だ! あんなに忽然と芸術の大空に炎をあげて登場し、その長い軌道上で戦慄のような驚きを与え、そして永遠に消え去った天体はいまだかつてなかった』

『ひとりの男がホールで私を待っていた。鋭い目、長い髪、人間離れした顔の男…かつて目にしたことのない、一目見るだけで心をおののかせた、モノに憑かれた天才…、、、それがパガニーニだった』オペラ作曲で有名なベルリオーズが、親友でもあったパガニーニとの出会いをこのように語った。

フランツ・シューベルト
『わたしは、彼のアダージョに天使の声を聴いたよ…』
 パガニーニのみごとな演奏を聴き終えたシューベルトが、感激と感嘆とともに吐いたセリフ。 金銭に関して後先考えず無頓着な彼は、その時のパガニーニの高額なチケットを買うために、自分の家財道具をなんの迷いもなく売り払ったという。 しかも自分の分だけでなくその金で友人の分まで買い与えたという。
 しかし、パガニーニの派手な超絶技巧に対してではなく、あくまでも “アダージョ” の音色の美しさ、むせび泣くような “カンタービレ” に感動している。歌曲王にして史上最強高ノメロディーメーカーと評されたシューベルトさえこうだった。

ロドルフ・クロイツェル(フランスのヴァイオリニスト)
『難しいパッセージを「二重音」や「フラジオレット奏法」で以っていとも簡単に弾くので、私は大いに驚き、まるで悪魔の幻影でも見ているかのように錯覚した』


 ドイツの詩人ハインリヒ・ハイネの「フローレンス夜話」で、主人公が聴いたハンブルク公演の印象を語るシーンに書いた。

「地獄から上がってきたようにみえる黒い風体の人間が舞台に現れてきた。それが黒い礼服に包まれたパガニーニであった。黒の燕尾服と黒のチョッキはおどろおどろしい形で、地獄の作法によって決められたペルセポネーの館のものであるかのようだ。やせこけた足のまわりで黒いズボンが落ち着きなくだぶついていた。彼が一方の手にヴァイオリンを、もう一方の手に弓を下げ持って、ほとんど地面に触れそうになりながら、聴衆を前にしてとてつもなく深いお辞儀をすると、彼の長い手はいっそう長くなったように見えた。あの懇願するような目つきは瀕死の病人の目つきなのであろうか。それも、そこにはずる賢い守銭奴のあざけりの下心が含まれているのであろうか」

 パガニーニがウィーンに到着したときはすでにモーツァルトもベートーベンもいなかった。ベートーベンはその約1年前に亡くなっている。





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最終更新日  2023.08.22 17:33:46
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