♪ 弱る円干上がるイラン古都の川老いゆくわれに冷たきニュース
岸田総理になって何か変わったかというと、安倍政権で秘書官や補佐官を歴任した今井尚哉のような側近がいなくなり、官邸官僚色が弱まったことぐらい。それなのに、またぞろ安倍が派閥の親玉になって、後ろで岸田総理を二人羽織みたいに操ろうとしている。「コロナ失政」こそが今回の首相交代と言われたが、相変わらずのゴタゴタで前言を引っくり返すばかりで、うき草のように漂っている。
「すぐに忘れてしまうのが日本人の良いところ」と思っているのは、政治家本人だろう。
ちょっと前の記事だけど、ここに全く同じ構図で岸田総理の政策やキャッチフレーズが並ぶことになるのだろう。
清廉潔白だった青年も、有象無象の妖怪と下卑な金銭的実力者にからめとられて、身動き取れなくなって結局は国民を裏切ることになる。そして知らず知らずのうちに別の世界で生きる似非天上人になっていく。
まあ政治家なんてそんなもの。清濁併せ吞んで、人の弱点を握り、己の地位を築きながら利権にありついて私腹を肥やすのが仕事なんだから。その証拠に、みんな人相が悪い。
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良寛の歌にこういうものがある。
「つきて見よひふみよいむなやここのとをとをと納めてまたはじまるを」
この歌について歌人の上田三四二(みよじ)は、「そしてこのようにしてふたたび一に戻った一は、一というはじまりの性質は同じでも、元の一ではない。二度目の一は最初の一を継ぎつつ新しい一であり、(中略)良寛の時間は何時どのような時間において観られようとそれは環をなし、環をなすだけでなく、それは前の環を巻直し、また、後の環へと巻継いで行くものとしてあらわれる」。(「遊戯(ゆげ)良寛」『この世 この生』
時間の無限循環。私はどちらかと言えばメビウスの輪(環)をイメージしている。巡り巡って元へ戻ってきた時は元の姿にはあらず。因果応報、カルマの法則。義賊ならまだしも、悪事を働いて金を稼いだやつの晩年はたいがいロクなもんじゃない。
誰がこの国をこんな風にしたのか。忘れてはいけない事がたくさんある。
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