♪ 三猿の如くに過ごすコロナ禍に知らないことを良しとし過ごす
ガシャン! 一瞬の、けっこう強い音。一体何の音?! 硬質で乾いた音で、床に平たいものがフラットに落ちた感じ。固いプラスチックの構造物のような何か。
数日前のことで、夜8時過ぎに居間でテレビを見ていた。台所か、あるいは玄関の方から聞こえた。落ちるような状態のものは無いので、不審に思って見に行ったが何事もない。
またしても原因不明の物音だ。どこをどう探しても何の痕跡も見つからない。以前にも何度か経験しているので「またか!」と思うばかり。念のために風呂に入っていたカミさんに聞くと、やっぱり聞いていた。私が何かを落としたのかと思った、と言う。風呂場の中なので大きくは聞こえなかったらしいが、聞いたのは間違いない。
以前のものも、板が倒れたような音とか何かが床に落ちたような音が、 “1回だけ” “痕跡がない” というのが共通点。築90年古民家なので、木の軋み音の「パシッ」とか「ギシッ」というのがあったが、それももうずいぶん前からしなくなっている。
“霊が憑りついているのかも” と思ったこともあるが、ポルターガイスト現象というほどの事でもないし、悪さをするわけでもないので全く気にせずに暮らしている。
今回も、怖いとか気味が悪いと思うこともなく、カミさんも別に気にしている様子はない。ゴキブリにはとんでもない悲鳴を上げるのに。目に見えないものだからかなのか、心配性の割には平気なので救われる。これがもし、恐怖におののくような人だったら、とうにここから逃げ出してしまっている。怖いと思うものがたくさんあるカミさんだが、見えないものには鈍感なのはイマジネーションが足りないせいかもしれない。私にしても同じようなもので、“鈍感は人を助ける” と喜んでいる始末。
ごくたまに、猫があらぬところをじっと見ていることがある。きっと何かの気配を感じているのだろうと、何てことなくその姿を眺めている。
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