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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2023.06.18
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カテゴリ:素晴らしいこと

♪ 無伴奏ヴァイオリン曲究極は神に近づくことと思えり


 昨日17日。東海市の芸術劇場でヴァイオリンのリサイタルを聴きに行ってきた。大ホールではなく1階の「多目的ホール」。キャパ247人の小ホール。

 1995年生まれ、28歳の若手ヴァイオニスト。今回は無伴奏の曲ばかりで、バッハの曲が2曲演奏されるというので聴きたくなった。




 チラシの写真とはまったく違う、端正で良い雰囲気を持った好青年。小さなホールのため間地かで聴けるのがいい。それも前から3列目のほぼ真ん中の席。奏者から5mほどの距離でヴァイオリンの生の演奏が聴くことが出来、その魅力を十二分に堪能できた。


○印が私の席

【曲目】 当日、出だしの「ベリオ:セクエンツァⅧ」が2部の頭へと変更になった。
〈第1部〉
☆イザイ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調 op.27-2
★J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調 BWV1005
            (20分の休憩)
〈第2部〉
☆ベリオ:セクエンツァⅧ
★J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004


 何と言っても大好きなバッハが良かった。特に「パルティータ第2番 ニ短調」。バッハの無伴奏ヴァイオリン曲の中でも特に有名なこの曲が、すぐ目の前で演奏されている。パールマンやハイフェッツ、ヒラリー・ハーンなどでも聴いて知っているだけに、魅入って聴き入り大いに堪能できた。怖ろしいほどのテクニックを要求される〈シャコンヌ〉など、圧倒されっ放しだった。

 ヴァイオリンとは、小さい楽器なのにこれほどに音量豊かな、音域の広い楽器だということを、改めて認識させられた。
 この最も難しい楽器を弾きこなすまでの道程を思い、その情熱と飽くなき追及のエネルギーが、見るからに華奢な体躯に秘められていることを思う。パガニーニの演奏姿を思い浮かべたり、さまざまなことが頭を過る。目をつむれば別の世界に入り、また目を開ければその才能が目の前で躍動している。


 ベリオの曲は現代音楽なのでちょっと難解なもの。イザイのものも、バッハに触発されて書いた曲だけあって、様々な技法で演奏される変化に富んだ曲。一体どうやって弾いているのかさえ分からない激しい動き。圧倒されるその指使いと目まぐるしい弓の動き。


セクエンツァVIIIの楽譜を置くための譜面台が4つ並べられた。(休憩時間に撮影)
左右の金屏風の奥に扉があり、出演者が出入りできる。

 ルチアーノ・ベリオにより「セクエンツァVIII」は、約半世紀にもわたって作曲し続けた、ライフワークともいえるソロ作品群の一つで、1976年に作曲されたもの。この曲を休憩の後に変更したのは正解だっただろう。最初にこれを聴かされたら、ちょっと辛かったかもしれない。


部屋全体が、幅に変化のある細い角材によって壁面をスリット状に覆い、
反響の軽減が図られている。


 1995年札幌生まれ。
 中学校3年在学中、2010年第79回日本音楽コンクール第1位、およびレウカディア賞、黒栁賞、鷲見賞、岩谷賞(聴衆賞)並びに全部門を通し最も印象的な演奏・作品に贈られる増沢賞を受賞。同コンクールで中学生の1位は26年ぶりの快挙であった。
 以後、桐朋女子高等学校音楽科(共学)に全額免除特待生として迎えられ2014年3月に首席で卒業。高校在学中より国内外の音楽祭、マスタークラスでソロ、室内楽ともに研鑽を積み音楽賞、ディプロマなど数多く受賞した。

 これまでバーミンガム市響、プラハ=カメラータ、N響、新日本フィル、東京シティ・フィル、日本フィル、都響、東響、札響、山響、京響、大阪フィル、名古屋フィル、アンサンブル金沢など国内外のオーケストラと共演するほか、ベルリン・フィル五重奏団、M.ヴェンゲーロフ、P.ウィスペルウェイ、N.メンケマイヤーらとの共演などでも注目を集める。東急ジルベスターコンサート、NHK『ららら♪クラシック』、NHK-FM『名曲リサイタル』、テレビ朝日『題名のない音楽会』などテレビ・ラジオの出演も多い。

 2010年度横浜市教育委員会表彰。第60回横浜文化賞文化・芸術奨励賞(最年少)、第2回岩谷時子音楽財団『Foundation for Youth 賞』、2015年度青山音楽賞新人賞、第26回出光音楽賞、第19回ホテルオークラ賞などを受賞している。
 これまでに故富岡萬、水野佐知香、原田幸一郎の各氏に、またドイツ国立ミュンヘン音楽演劇大学ではクリストフ・ポッペンに師事。





 午後3時開演。終わったのがちょうど5時。休憩を除いて、ヴァイオリンの音色の中にとっぷり浸かった100分間だった。

 真夏のような暑さとなったこの日。外はまだほてりを残していて、冷房に冷やされたからだが徐々に熱を帯びてくる。
 涼しければ歩いて帰りたいところだったが、この日は朝7時半ごろにウォーキングに出て約2時間、14,000歩ほど歩いていた。さすがに自重して電車で帰った。





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最終更新日  2023.06.18 10:26:34
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◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
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