♪ むらぎもの心に白い石ころを据えて勇気を奮いいしなり
「人間は偏狭な生きものである」
脳にすり込まれた固定観念によって「認知バイアス」が生まれる。それはどんな人間にもあって、自覚もなくし知らず知らずのうちに価値基準や判断基準になっている。
このヘビに対する人の異様な嫌悪は、まさに「認知バイアス」そのもの。決まりきった常識的な判断や行動をしていると、その外にあるものに思考が及ばず、不気味な怖いものとして遠ざけようとする意識が働く。
私たちは、特に根拠がないにもかかわらず、自分と同じような属性(性別、年代など)を持った他者よりも、自分は不幸な出来事(犯罪、病気、災害)に見舞われる可能性が低いと考えがち。 これを「楽観性バイアス」といい、不都合なことがあっても信じたがらない。
事故、大病、離婚、社会的なトラブル、失業、事業の失敗、介護問題……。そうした “悲劇” が自分には起こらないと楽天的に考える性質を持っている。これは、80%の人にあるというから侮れない。
法令違反であるにもかかわらずこのぐらいなら大丈夫と判断する。盛んに報道される企業のデータ改ざんや隠ぺいによる犯罪、注意義務を怠ったために起こる事故、自然災害における甘い見通しによる被害など。これらはすべて自分に都合のいいように判断するために起こる。
自己正当化するために身に付けていく方便は、この「楽観性バイアス」があるからこそ成り立つもの。
最近は、訳の分からない凶悪な犯罪が日常的に起こっている。ニュースを見る側にもバイアスがあって、反応は必要以上の警戒をするか、あるいは何も感じないかのどちらかになる。思考が追い付かずに自分には関係ないと判断するのは「楽観性バイアス」だ。
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