♪ うた作りはことば遊びのぼけぼうしいろはにおわずちりぬるばかり
早々と短歌の会「さわらび」の忘年会があった。いつも会場にしている、常滑西ノ口の会席料理「丸十」の予約が取れず、こんな早い時期になってしまった。海の見えるいい雰囲気の店なので人気があるようだ。
10時半集合で、リーダーが道を間違えて遅れて到着。参加者は9名で知らない顔が一人いた。あみだくじで決めた席に着き、前もって提出してあった無記名の歌の講評をし合う。
名前がなかなか覚えられなかったが、この日のおかげで全員の顔と名前が一致し、ようやく会の一員になれた気がした。
「歌林の会」に所属していて、メンバーは数十年のキャリを持つ。馬場あき子・岩田正によって創設された短歌結社で、1978年(昭和53年)5月10日歌誌「かりん」を創刊し、今年で45年の歴史がある。現在は馬場あき子を発行人、坂井修一を編集人とし、米川千嘉子、川野里子、梅内美華子などが編集委員に名を連ねている。
「さわらび」には、コロナの前まではご主人の岩田正氏が、逝去されてからは馬場あき子氏本人が、知多市中央図書館で講演会を行っていたらしい。それも、リーダー柳氏の人格によるところが多いらしく、呼ばれても行かない支部が多い中、自ら進んで来てくれていたらしい。しかしそれも、10年ほど前までのことで、馬場あき子氏は御年95歳となり、さすがに不可能になった。
時おり海をながめながら、講評は進んでいく。医者の奥さんであるリーダーは高齢となり、耳が少し遠いので話が伝わらなかったりする。一貫しない面もあって “おいおい” と心で叫びつつちょっと面倒くさい一面も。全員が高齢なので作歌にもイマイチ積極性がなく、私にはやや物足りない。
しかし、結成当初のメンバーは徐々に減ってしまったものの、今でも続けている人はそれなりの気構えを持っている。教員の奥さん、お茶の先生、お花の先生、現役の医療事務員など、自意識と自我が強そうな人ばかり。
昼会席2,500円
古びた女性ばかりの中に、一応男の私が入って視点が違う意見を言うようになり、リーダーは喜んでくれている。今回提出した歌を褒め、腕が上がったと言ったり顔も良くなったなんていう。やや独断と偏見の見え隠れする意見に眉を顰めることもある。普段、歌を詠んでいないらしく、前日になって慌てて詠んだものを提出したりする。
他のメンバーは、リスペクトしている反面、やり込められるのでぐっと抑えて言い返せない。ヨイショすることで場を丸めようとする人も居て、なんだか面白い。
リーダーが「こういことを続けていないとガタガタッと崩れていくので、止めちゃいけないよ」と言う。これはリーダー自身のことでもあり、自分に言い聞かせているのかもしれない。
今いるメンバーは、元気な人ばかりなので当面は大丈夫かもしれない。実際、それぞれが幾つなのか聞くわけにもいかないが、喜寿に学年会をやったと詠んだ人が私より3つ上。どうもそれより上の人ばかりに見える。
ま、あと何年続けられるか。ケセラセラ・・
☆
電車で行ったが、西の口駅は急行が止まらない。鈍行は30分に1本しかなくちょうどいい便がないので、手前の大野駅で降りて10分ほど歩くことになった。 大野駅で降りるのは初めてだが、まさか無人駅とは思わなかった。特急の停まる無人駅なんて聞いたことがないが、今は案外増えているのかもしれない。
10分約、中道を1キロほど歩いた印象は「寂れている」の一言。知人の女性市会議員がコミュニティーぐるみで色々頑張っているようだが、人口減は止められない。
少子高齢化や都市部への人口流出によって、2040年には全国の自治体の半数が消滅の危機であると言われている。
2042年に65歳以上の高齢者数はピークを迎えると言われていて、20年後は大変な状況の中で、孫たちは生きていかねばならない。
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