♪ 世直しの岸田総理を眇めつつ熱をもたないアイロンを診る
カミさんがティファールのアイロンを使っていて熱くならないというので診てみると、コードの立ち上がって折れ曲がるところが断線しているらしい。
修理のためコードをカットしてみると案の定、1本が断線していた。買った時から多分この部分が断線するだろうことは想像がついていた。何度も使っていればそうなることが想定できるはずなのに、安物とはいえ、そもそもその設計が悪かった。
機種は違うがこれらと同じタイプ。〇で囲った部分が倒せるようになっている。この〇で囲った部分が断線した。どう見ても故障の原因になる。 立ち上げている素材が硬いので容易に倒れず、コードが折れ曲がった状態で使うことになる。クリーニング店の様にコードを上から吊って使えば別だが、そんな風にして使う人はいないだろう。
可動式になっている意味が分からない。使用中にコードが本体に触れないようにするためかなのか、いかにも安易な設計と思えてしまう。
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立ち上がり部分の硬いプラスチックを取り除いて結線し、絶縁テープを巻いて擦れても大丈夫なようにゴムチューブを巻いた。フレキシブルになったし、もう断線することはないだろう。
買って10年ほどにもなるし一時は頻繁に使っていたので、まあ、故障してもしょうがない。しかし、直せばまだ使えるし、廃棄するのはもったいないので直したまでのこと。
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それで、カミさんがいざ使おうとしたら、「熱くならな~い」とのたまった。「エエ~! そんなはずはない」。「だって、ほら冷たいままじでしょっ!」。“おっかしいなぁ、そんなはずない” と、私が引き取って違う場所のコンセントに差してみると、ちゃんと通電。熱くなってきた。どういうこと?
コードをいじったらパイロットランプが消え、オス・コネクターの根元が熱い。「分かった! ここが断線してる」。
確認すると、1本が切れてもう一本も切れかかっていた。
一体型なので、手持ちの新しいのと交換。まさか2カ所が同時に断線するなんて!!
カミさんが、仕事着にアイロンを掛けないといけないので、“ダメならすぐに買いに行かないと” と焦っていた。やれやれだ。
しかし、何故この部分が断線したのか。コンセントの抜き差しは本体を持ってやっているので切れるはずがないし、上げ下げするような場所でもない。どう考えても原因が分からない。
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「T-fal」はフランス製なので、テーブルの上で立って使うように出来ている。そのためコードは上から吊るして使うのが一般的なのかもしれない。可動式部分も活かしてアイロンがけするのが普通なのかもしれない。それなら意味が分かる。
しかし、日本の家庭ではそんな使い方はしないので、日本向きとは言えないことになる。
*1954年創業の「T-fal」。「こびりつかないフライパン」で評判を呼ぶ。当時の生産量は一日あたり100枚だったが、1961年にジャックリーン・ケネディがデパートでティファールのフライパンを買う様子が紹介され、それまで週7,500枚だった販売が、月間100万枚に跳ね上がった。
*1975年に日本で株式会社セブ ジャパン設立。圧力鍋、フライパン、アイロンなどが中心。
*1989年に世界初、コードレス電気ケトルを発売。(日本2001年発売)。小型家電部門にもビジネスを広げる。
*1996年「取っ手のとれるティファール」を発売。(日本1998年発売)。
*1998年日本で「セブ」だったブランド名を「T-fal」に変更。
*2000年食材をフライパンに入れるベストなタイミングが目で見てわかる「お知らせマーク」付きフライパンを発売。(日本2000年発売)。
*2005年ハンガーにかけたままシワ伸ばしができる「衣類スチーマー」を日本で発売。
*2012年レシピ内蔵タイプの電気圧力鍋を発売。(日本2015年発売)。
*2021年驚異の耐久性で6倍長持ち(当社比)の「チタン・アンリミテッドコーティング」を実現し、フライパン・鍋のラインナップを一新。さらに「お知らせマーク」も一新。 |
何だったか忘れたが、一カ所に弱いところがあって(それさえなければまだ使えるのに)壊れてしまったことがある。そういうことが時々ある。敢えて壊れるように作ってあるとしか思えない。壊れないと次が買ってもらえないということなのだろう。
どこかに弱い部分を作っておくという、メーカーの商売上のテクニック?
そんな時は直せるものは直すが、部品が無かったりする。他のもので代用できればいいが、出来ないと心底頭にくる。
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