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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2024.09.05
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カテゴリ:残念なこと

♪ 才能は抑えることのできぬもの場所を選ばずしみ出してくる


 4日は短歌研究会の例会の日。めずらしく全員参加で9人と、賑やかな会となった。

 先日、「かりん全国大会」に出席してきたリーダによると、知多半島で9人は多い人数だと驚かれたとか。京都の支部などは3人というのもあって、どこも少ない人数でやっているらしいのだ。

 また、私が入会したことで人数が増えたというのも目を引く事件らしい。短歌ブームとは言え、大方は往年のベテランが中心で、コロナ禍以降は続けているのがやっとという現状のようです。

 何せ主宰の馬場あきこ氏は96歳。周りも高齢となって、かつての隆盛時代のようなわけにはいかなくなっているのでしょう。
 馬場あきこ氏
 前衛的短歌の隆盛期にもかかわらず、古典評論や、入門した喜多流宗家の能の韻律を取り入れた独自の短歌で徐々に人気を博していく。

 さらに歴史、古典文学、昔話の視点から綴った『鬼の研究』が大ベストセラーになり、歌誌への寄稿、講演会、能の評論、ラジオやテレビでの短歌講座など、その活動は多岐にわたった。77年、29年に及ぶ教師生活に終止符を打ち、作家活動に入る。


 昨年5月に、1年間を追ったドキュメンタリー映画『幾春かけて老いゆかん 歌人馬場あき子の日々』(監督・田代裕)が、5月27日に公開されている。


 いま現在も、朝日新聞の「朝日歌壇」の選者をしておられ、45年になるという。毎月寄せられる5000通の短歌の中から、5人の選者が20首の秀歌を選んでいる。
「はがきを握った瞬間に、初句と結句が見えて良いものはわかるのよ。私の選歌の基準は明かしませんが、長年の経験で、これはというのがわかる。」
 1枚に数秒目を通すだけ。初句と結句を瞬時に読み切って、直感で選んでいく。

「今、若い人の間で短歌ブームと言われるけれど、明るいブームじゃない。孤独なの。若い人の歌を読むと、10首あれば1首必ず「死の歌」が入ってくる。それから孤独、断絶、絶望……。うまいけれど、悲しい歌が多いです。今の世の中は、若い人の感性の底に不安や孤独や死のイメージが入りやすい。社会がものすごく悪いから。若い世代の沈没を何とかしなきゃいけない。」婦人公論.jpより
 
 その「第四十五回かりん全国大会」の詠草集なるものをリーダーが貸してくれた。全国から208名の参加者があり(確認していないので違っているかもしれない)、提出した歌を全員で互選するという催し。連番が打たれた名前は伏せられている。その中から、良いと思う歌を一人何首か(多分5首?)を選ぶのでしょう。



 お借りした冊子には鉛筆で、獲得数が書き込まれていた。
 信じがたいが、「0」というのが50首ほどあって、自分でも評価しない歌を提出しているということ? 1年に一回、旧交を温めるとか、お上りさんとなって東京見物をするとか、別の方に重点が移っている。同窓会のちょっとした余興という位置づけなのかもしれない。

 勿論、馬場先生にお会いしたいという事は含まれるのでしょうが、ちょっと情けない。

*確認したところ、2日間のうち1日しか出席しなかった人は「0」になるのだそうです。失礼しました
 場場先生も名のある歌人も全員が「無記名」なので、まったく先入観なしに選ぶことになる。リーダー曰く、「どれが誰の歌だか全く分からない。そこが面白いのよ。先入観って怖いですね。」

 連番に名前が書かれている別紙が、選が終わった後に配られるのでしょう。そこでどの歌が誰のものかがようやく分かる。
 事実、馬場先生には7票しか入っていなかったようだ。111票が最高で、30票台が2人、20票台が1人、10票台が10人。

 書き込まれていないものもあって、厳密なものとは言えないが、それだけ意見が分かれるというのが短歌の奥深いところとも言えそうだ。

 私も目を通してみて、いいなあと思うものは少なかった。私は「かりん」向きじゃないのかもしれない。

 こちら「さわらび」。9人の提出した歌(1首の人もあれば3首の人もある)を、順に評価、討論していく。そうは言っても、ほとんど自分の意見を持たない人もいたりして、ゆるい和やかな歌会ではある。

「けたけた笑う大声だしてあくびする図書館むかしの武士(もののふ)あふるる」という歌を提出した人があった。
「武士(もののふ)」はそぐわないという意見があり、本人は「老爺」というのも考えたとのこと。それではと、「けたけた笑う大声だしてあくびする老爺一日すごす図書館」としてはどうでしょうかと、提案させてもらった。

 でも、「こういう悪口を詠んだような歌は、かりんのでは絶対に取ってもらえないですよ」と作者。「試しに出して見たら」という意見もあった。そこから先は本人の自由。

 別の人の、「よく晴れた夕ぐれ時にピンク・ブルー空一杯にオーロラにも似て」という歌には、「一杯」を「一面」に変えた方が良いとリーダー。結句の「オーロラにも似て」「マジックアワー」ではどうでしょうかと私。いい言葉を知りましたと、あっさり決定。

 私の歌は
「おもむろに蜩ひとつ鳴きだせばふるさと杳か知る人もなし」いい歌だというリーダーの意見あって、直しはなし。
「流行という舟に乗る娘らは顔に熱風当てて街ゆく」これにはいろいろ意見が出て、結局、上の句と下の句を入れ替えて「娘らは顔に熱風当てながら流行という舟に乗りゆく」となった。
 いつもより人数が多く、歌も16首あってかなり時間がかかった。
 日差しが強いとても暑い日なので、地域バスで帰るつもりだったが、間に合わなかった。
 歩いて帰ることになり、心身がウォーキングの体制になっていないので、3㎞の道のりが遠く感じた。
 
 コミュニティの「あいあいバス」は2時間に1本しかなく、決して便利とは言い難いが、「足」のない人にとっては有難いものだ。小まめに要所要所で止まってくれるし・・。

 75歳以上の高齢者は無料パスがもらえるので、近いこともあって市役所に申請に行って来た。
 写真が入るので1週間ほどかかると言われたが、「水曜日に図書館に行く用事があるけど間に合わないね」と言ったのを気遣ってくれたのか、3日ほどで届いた。

 せっかく間に合ったのに使うには至らなかった。


精進湖からの富士山





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最終更新日  2024.09.07 12:09:25
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)

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