♪ 四年前を知っているらん四十雀わが様変わりせしサンクチュアリの
昨日、ふと四十雀が営巣したもう一つの巣箱が気になった。どんな感じなのか開けてみたくなった。使用した巣箱は中身を片付け、掃除をしておいた方が良いらしいということもあった。
サイドを上に持ち上げて開けるようになっている。
開けると、なんと! アシナガバチが飛び出してきた。“なんだなんだ! 巣でもあるのか?”
刺されるのも嫌なので慌てて閉じたが、それじゃあ用事が済まない。再び開けるとまた数匹が飛び出してきた。どうやら巣があるわけでもなさそうだ。2度ほど繰り返すとすべていなくなった。10匹ほどいただろうか。
しかし、この時期に巣もないところに集まっているというのはどうも変だ。
蜂の一生からして、7~8月頃が最盛期で9月になると巣の活動は終っているはずで、この時期になるとメスの働きバチは死んでしまう。
女王バチと交尾を終えたオスは、まだ死ぬまでに少し時間がある。それが巣箱の中でのんびり余生を送っていたのだろうか。オスなら刺さないので、慌てて追い出す必要もなかったか。
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それで、巣を取り出してみると、“なんと!” まったく想像と違っていた。卵がそのままあって、温めて孵そうとした形跡がない。真ん中の凹みに置物のように、6つの卵がきれいに収まっている。
厚みは5㎝ほど
東側の巣箱と同じように、こっちの巣も孵化させるには至らなかったようだ。遅くまで番がやって来ていたようなので雛が育っているかもしれないと思っていたが・・・。
安心して雛を孵す気になれなかったようだ。それをさせない何かがあった。ここの巣箱は過去2回、四十雀が子育てしている。その当時は今とは環境がまったく違っていた。今回は、大きな庭のお屋敷がなくなりその庭木も無くなっている。そしてその場所に、今風の家が立ち並ぶことになった。
タイミングも悪かった。営巣し始めたころは静かだったが、その後、目の前の新築工事が再開して、人や車の出入りが激しくなった。騒音などが障害になったのだろう。気になっていたがどうしようもなかった。
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本当は、静かな森の中で子育てしたかっただろうに、二つの巣箱とも雛を育てるまでに至らなかった。可哀そうでならない。あの営巣中の四十雀の可愛かったこと。その姿を思い出すとなおさら辛い。
もう2度とやって来ないかもしれない。 かなり昔の2度の営巣のときは、2度目までの間がかなりの年数が経っている。翌年も続けてというわけではないようだった。今よりは良い環境ではあった。しかし、そうはいっても近くに森があるわけでもなく、野鳥にとっては決して良い場所とは言えない。
かなり久し振りに営巣してくれて、とても楽しく観察していた。それが途中から来なくなってしまった。
周りが変化していくのを眺めながら、彼らはこの場所を子育ての地に選んでくれた。エサ台に餌を置いて寄せる努力はしていたが、こんな結末になるなんて想像もできなかった。
諸行無常。有為転変の理のうちに、往々にして大切なものは失ってから気がつく。
建築中の家もエクステリアを残すばかりとなっている。空き地だった頃が懐かしい。
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たった4年前の11月はまだこんな風景だった。隣家のお屋敷にたくさんの木が植えてあり、秋になれば尉鶲が縄張りを作ってあの独特の声を聞かせていたし、柿の木には鵯はもちろん、コゲラまでやって来ていた。
向こうには畑があり、その向こうには空き地があった。
ちょうど上の新築の住宅が建っている場所に当る。
大きなナンキンハゼもその家も今は無く、新しい家が建っている。
そして2021年2月に解体工事が始まって、あっという間に様変わり。その後の3年で環境が激変してしまった。解体の前日(2月10日)の隣家の庭の様子がブログにしっかりと書き残してある。
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