カテゴリ:ひまねた
今でこそ正露丸の匂いを嗅ぐと“アイラの香り”などとウイスキー通のようなことを思いますが、その昔あのヨード臭さというものはけっこう苦手でした。
で、ある日の昼ごろ、どうしても出かけなくてはならないがお腹がピーピーいっていて、しかたなく正露丸を飲んだわけですよ。 オレンジ色の外蓋に半透明の中蓋を入れ、そこにコロコロと鹿の糞のような正露丸を4粒くらい。なぜそんなことをするのかというと手のひらにのせて手が正露丸臭くなるのはいやだし、蓋に乗せた正露丸を口の中にほおりこんだらそのまま蓋をキュッと閉めてしまえば中蓋も同時に閉められると、そんなことを考えたわけです。 そして一気にゴクっと飲んだつもりがけっこうな抵抗を伴ってごっくんと・・・ なんか変だな・・・・胸が苦しい・・・・最初何が原因なのか皆目見当がつかず。 もしや・・・見てみると半透明の中蓋がありません。 のどに指を突っ込んでも吐き出せず、しかたなく近所の医者へ。 「いくつのお子さんですか?」 「あの・・・ぼくです・・・」 呆れ顔の医者はうちでは取れないからと近くの大きな病院へ紹介状を。 その病院でも 「お子さんおいくつ?」 「あ・・・の・・・19です・・・」 少しはなれたところで看護師見習いが笑ってます。中学の同級生でした。 レントゲンを撮ってみると、胸にまん丸の影が。まるでカラータイマーのようです。あれほどドラマチックなレントゲン見たことありません。 そして内視鏡にチャレンジ。当時の内視鏡はまだぶっとく、のどにたっぷり麻酔を塗られますが、苦しくて半泣き&嗚咽。 「だめだよ錆びててはいらねぇ」 錆びる?医療器具が?衝撃の言葉とともに都内の大学病院へ。救急車というわけにもいかないので父親を呼び出し車で移動。 一応救急外来へいくと・・・ 「いくつのお子さん?」 「19です」 なぜか医者は激怒しています。 「眠らせちゃえ!」 という言葉を聞いたのを最後に眠りに落ちました。生まれてはじめての全身麻酔でした。ホントに3つ数えると同時に落ちました。ある意味気持ちよかったです。 「どれだの~?どれたの~?」 と目が覚めるころにはうわごとのように言っていたそうです。 後から聞いた話では赤貝をのどに詰まらせたとかおもちゃをのんだとか、とにかく誤飲の患者が続いていたそうで、そこに“正露丸の中蓋を飲み込んだ19歳男子(バカ)”が来たもんだから医者もキレたそうです。ちなみに当時まだキレたという言葉はありませんでした。 その後3日間入院しました。 おそらく僕にとってもっとも恥ずかしい体験のひとつです。でもちょっと自慢したいバカっぷりでもあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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