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カテゴリ:読書
《人世间》上・中・下三巻セット。
買ってすぐに奥付を確認しました。↓ 44回も増刷されるなんて、これはめっちゃ面白い物語に違いない!ワクワク(*´▽`*) と、思いますよね?この奥付を見たら。 最初はこの物語の主な舞台となるA市の共乐区という底辺の市民が住む地域の 成り立ちの説明でした。歴史的背景から丁寧に丁寧に丁寧に(本音:うんざり)説明してあり、 もうここでなんとなく嫌な予感がしてきた私。 やっと主人公の周秉昆が出てきたのが18ページ目で、最初彼の印象が薄く、感じが悪かったので まさか彼が主人公とは思いませんでした。が、読み進めて行くと彼がずっと出てくるので 「もしかして、この周秉昆が主人公なの?」と認識し始めたのが30ページ目くらいです。 物語は文化大革命下の周秉昆のA市共乐区での日常生活を中心に描かれています。 周秉昆は周家の三人兄妹の末っ子、兄は国の命令で瀋陽の兵団で働いていて、姉は「上山下乡」 運動により農村で小学校の教師をしています。都市部の家庭の子供は1人だけ家に残ることが 許されているので、文革期にもかかわらず彼は都市部に残ることができたのです。 さて、というわけで物語の内容はというと、 これは「文革時の都市部の人びとのくらし」 という、社会の教科書の単元の一つか何かですか? と問いたいくらい物事の説明がくわしい、というかしつこいです。 途中で何度か気が遠くなりかけました。 工場で働く周秉昆とその仲間たちの日常の出来事が中心で、ちょっとした出来事に関する 説明がくどくどしくて「ここは読まなくていいかも」と察した部分は読まずに飛ばしたり しました。話の進展が遅すぎてうんざりしちゃって耐えられなかった(;^_^A 最後の100ページに差し掛かるあたりから、周秉昆と彼が一目ぼれしたシングルマザーの 郑娟の仲が進展したり、周秉昆が革命委員会宣伝部の文芸部に異動したりと物語が動き出して きましたよ。 続く中巻は少しは面白くなるの?と無理やり思い込むように自分を奮い立たせていますが うんざりしてもう読みたくない!というのが本音。でも日本のネットショップで買ったので 高かったのよ。読まないともったいない?読む時間が無駄?どっち?笑 ところで、上記のとおりこの小説は生活の中の事象の説明や登場人物の心情の説明などは 「もういい!」ってくらい詳しいんですけど、日本人の私にとって ・大三线 ・批林批孔 ・九一三事件 などは全然知らないのに(勉強不足?)、これに関しての説明は全く無し(@_@。 これは中国人にとって説明の必要がない当たり前の事象なのね。がっくし。 张春桥という人名もなんの説明もなく出てきて、「誰?」と思って調べたら四人組の 中の一人でした。四人組なんて江青女史しか知らんかったよ。。。orz こういう小説を楽しむためには、中国の近代史をしっかりと把握していないといけないなぁ というのが《人世间》上巻を読んだ感想というか結論です。 主人公の周秉昆についてですが、思慮が浅いというかまだ人間として成長しきっていない ところが心配です。まだまだ考えが甘い。 これから読み進んでいけば彼の成長が見られるんでしょうか?誰か教えて。 最後に、個人的に心に残った超どうでもいいエピソード 周秉昆の父周志刚が農村で働く周秉昆の姉周蓉に会いに行きますが、途中で一人の 眼鏡をかけた青年を見かけます。この青年は道にハマって動けなくなった車を動かせる ようにするため必死に助けているところでした。 周志刚が後に再び青年に会った時に心の中で「彼はあの『眼鏡』じゃないか。」と驚くところで 周志刚が心の中で青年を「眼鏡」と呼んでいたことがわかるのです。 というこの「眼鏡」というあだ名エピソードがなぜか一番ツボでした。 マクドナルドで読んでいて、思わずプッと吹き出してしまいました。 また、その眼鏡のツルが壊れていて、ツルの代用品として電線が使われていた という記述もなんだか物資不足時代の「あるある」な感じで個人的に面白かったです。 というわけで、あけましておめでとうございます。 今年もどうにかこうにか中国語を続けて行けたらと思っています。 しおりは今はなき 「SPORTING GEAR HAI」というブランドの洋服のタグ。 もう25年以上前。好きすぎてタグをずっと保存していました(^-^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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