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カテゴリ:八房之記憶
ブレーキの効かなくなった愛車で、深夜の国道をひた走る。
信号が赤くなっても、そうそう止まれやしない。ギギ・ギギ…と悲鳴を上げて、停車ラインをはるかに超えた位置で停車する。異常なまでの振動が、限界を告げる。 大丈夫。別に大したことじゃあない。僕は彼にそう告げる。 僕の愛車は、今ではもう赤くないけれど、それでも恐ろしい量の想いを積載して走り続ける。 死んでいたのは君なのか、僕なのか。消えてしまったのはこの車だったのか。 霧に巻かれた国道は、ループ状になって、僕を外へ出そうとしない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/10/12 12:24:53 PM
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