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カテゴリ:八房之記憶
味も、質量も変わらない。その存在も変わらない。でも、もう戻らない。
傍観する僕。手を伸ばすことをためらっている訳ではない。むしろ関わり合いになりたいとさえ思う。 しかしそれは許されない。卵の所有者ではないから、だとか、忙しいから、だとかではない。できないのだ。 毀れた卵が、目の前にある。腐敗が進行していく。僕はそれを黙って眺めることしかできない。 HASIRAという壊れた半身。最愛の少女と邂逅するために手放せない、しかし毀れた愛車。一時の安らぎと、虚しさを与える友人たち。仕事を効率的に作業するために使用されている、しかし凍結を繰り返すパソコン。愛の言葉と失望を繰り返す電子郵便。 僕の周囲は、毀れた卵で満ち溢れている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/10/13 11:00:40 AM
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