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カテゴリ:八房之記憶
彼女との時間が楽しい。しかし僕はよく拗ねる。子供のように。わがままを言ったり、つめを噛んでみたり、いなくなってもみる。それがどんなに馬鹿げているかも判っている。しかしそれでも辞められない。
彼女は、一日に何度も僕の名前を呼ぶ。 彼女は、引率の先生のように僕を連れまわす。 彼女は、よく笑う。まるでそうすることが従業員規則であるかのように。 僕は、彼女といる空虚さに、また頭痛薬を飲む。 HASIRAの携帯電話が夜の闇に光る。-電子郵便だ。 「あたし彼氏と別れるかも知れない。」 僕は彼になりすまし、その返信を打ち込む。 「じゃあ僕がその代わりに。」 すると、しばらく間があいて、返信が来る。 「いやだ。」 僕は、千夏の意地悪な笑みに微笑み返す。 彼は、そんな彼女との関係を捨てて、一体何処へいってしまったのか。 判らない。判らないとやっていけない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/11/04 12:37:09 AM
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