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2013年02月06日
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カテゴリ:カネミ油症のこと



今から 41年前、長崎県の五島列島や、福岡、広島などを
 訪ねて、カネミ油症で苦しんでいる方々に お会いしました。

家

西日本一帯に奇病が発生‥ その原因が カネミの
米ぬか油(ライスオイル)に PCBが混入したためと
わかってから四年目、私が20代半ばのことでした。

その後、PCBだけでなく、ダイオキシンも混入して
いて、複合による被害であったこともわかりました。

申請した人が1万4000人であるのに、
認定された人は、2000人弱とのこと。

申請しなかった人や、カネミ油症が原因とわからないで
今も苦しんでいる人が 他にも多く、いると思われます。

家

カネミ油症の11年後、台湾でも 油症の被害がありましたが、
会社の会長と取締役、販売店主らは、懲役10年の実刑判決。

会社は潰れて、治療費は全額、働けなくなった人の
生活費など、被害者の救済は、台湾政府がしている。

これに対して、日本では、

カネミ倉庫の社長は 無罪。 
工場長が1年半の実刑判決。

治療費は、被害者の健康保険と、ごく
ごく一部をカネミ倉庫が負担している。

カネミ倉庫は、今も 健在。

日本では、企業犯罪に甘いのは なぜ?


発症した時、子どもだった人たちが、今、40代、50代となり
被害を 広く訴えていこうという動きがあるのを 知りました。

油症の深刻さを知っているのに何もしてこなかった反省
をこめて、41年前にまとめた冊子から 載せてみます。


家


タイトル400.gif

タイトル2.gif

1972年3月  (清水ゆり子 記)




 鯨は魚と違って、一度に一頭の子どもしか産まない。
 親鯨は、子が大きくなるまで、ずっと そばにいる。

 もし、子鯨が人間につかまって、姿を消してしまったら、
 二日でも、三日でも、同じところを泳ぎまわっている。

 ひゅーう、ひゅーうと、鳴きながら‥

 東シナ海の鯨は、とても残念なことに、乱獲のため、
 昭和28年から5年間で、とりつくされてしまった。

 その頃、栄えた五島列島の漁港の
 ひとつに 玉の浦港がある。

 狭い舟つき場だが、かつては、24軒の
 遊郭があったという この玉の浦。


 真冬。 玉の浦の島には、ツバキ と
 スイセンとが 咲き乱れている。

 ツバキは野生だが、実を結ぶと人々は油をしぼる。

 都会の罪悪とは、およそ縁のないようにみえる
 この離島に、もっとも都会的な物質である
 PCBこと、ポリ塩化ビフェ二―ルが
 わがもの顔にいすわっているのだ。

 長崎から船で4時間。 

 五島列島の南端の福江からバスで1時間。

 そこから渡海船に乗りついで、ようやく 玉の浦につく。

 玉の浦の舟つき場から40分歩くと、B浦につく。 

 ここの子どもたちが、朝、学校に出かける ちょうど同じ頃、
 わたしたちは 逆に 町から B浦へ むかった。

 何人かずつのグループになって登校する児童の
 7~8割は、カネミ油症であるといわれている。

 油になじみやすく、水にはとても溶けにくいので、
 生体内に侵入したら 絶対に排泄されないPCB。

 構造が安定しているため、一度、生産されたら
 最後、地球上のどこかで 生存しつづける。

 人体には、皮膚からはもちろん、鼻からも入る。
 そして、食べものにまじって 大量のPCBが
 口から入ったのが カネミ油症である。

 カネミ油症の 悲惨さをみて、PCBの
 製造をいち早く禁止した国もあるという。

 日本では、年間一万から一万二千トンものPCBが
 いまだに 生産されているというから おそろしい。


   油症患者は 十年も 早く死ぬ?

 子どもたちにまじって、YYさんが自転車に乗って やってきた。 

 YYさんは、昼におひつ一杯の飯を食べ、お茶時には
 パンを八つもたいらげたという三人力の漁師だった。

 そのYYさんも、今では すっかり 体が だめになってしまった。

 四年前、西日本に出まわったPCB入り
 カネミ米ぬか油を 食べたためだ。

 YYさんの子どもも 油症にかかっている。
 小学校3年生の男の子だ。 ある夜、
 YYさん夫婦にむかって いきなり叫んだ。

 『うちの家族は、みんなより十年も早く死んでしまうのか。 
 だって、町の人たちが油症患者の寿命は 十年 短いと言ってたもの。
 それなら、おれ、勉強なんか しない!』

 YYさんは 胸をつき刺される思いがして
 知人のところに 駆け込んだという。

 うでっこきの漁師だったかれは、油症にかかってからというもの、
 早朝に舟に乗って、仕かけた網を 引きにいくのが やっとだ。

 あとは、誰もいない家の中で 痛みを じっと こらえている。
 たまらなくなって、診療所で 痛み止めの注射を
 うってもらうことが 連日 つづくこともある。

 わたしたちが訪ねたときも やはり
 YYさんは ひとりで 家にいた。

 こたつには 手編み機がはなえられ、何やら編みかけてある。 
 そのままにしておいてくれるように頼んだのに、
 YYさんは ねじをはずして、はじへ寄せて かたづけた。

 『何を編んでいるんですか』 と 聞くと、

 『何とかって言ってましたけど。何ですかね、それ‥』

 と 逆に 聞きかえされた。

 『あいつ(おくさんのこと)も アブラ症にかかてから疲れるらしく、
 背中が痛い、目がかすむ、とか 言って、なかなか進まないんです。
 30分くらいでやめてしまうんですよ』 と 不服そうだったが、

 『わたしのこのセーターも あいつが編んだんですがね‥』
 と 言って、上着の襟をひろげてセーターを見せてくれた。

 くすんだ緑色とベージュ色のしゃれた模様編みだ。
 日焼けと油症のために黒くなったYYさんの顔によく似合う。

 『編み物の学校には一度も行かなかったんですよ。
 機械を買ったところに習いに行ったけど、混んでいて、
 教えてもらえなくて、それで しかたなく、
 見よう見まねではじめたらしいんですがね』

 YYさんのおくさんは、昼、日雇いに出ている。
 700円の日当は、家計をささえるのに欠かすことはできない。
 朝8時から夕方5時までの土方仕事は、油症被害を受けた
 おくさんにとってこたえるはずだ。

 家の中がとても広々としていると思って、よく見ると天井がない。 
 数年前、この家を建てている途中、お金がなくなってしまって、
 仕あげができないので、そのままになっているのだという。

 話の途中で、何やら思い出したように
 急に立ちあがり、台所に行った。

 『今、餅を焼きます。忘れてました‥ 遅くなってしまって。 
 餅だけは たくさん つくんです。 余った米は みんな
 ついちゃうんです。 水につけとくんです。 悪くならないように‥』

 丸くて大きい餅は ねばりがあっって、美味しかった。
 豆が入っている。 砂糖と醤油をつけて ご馳走になった。

 『飯も炊けるんですが、家内がいないと わからなくて‥』
 と 申しわけなさそうにしてくれた。

 家の中は、整理がゆきとどいている。 
 おくさんは 日雇いから帰って、夕食の仕たく。 編みもの。
 朝は 早く起きて、きれいに掃除をして出かけるのだろう。

 おくさんの内股には、こぶし大のコブができているという。

 正座したYYさんは、右手でこぶしをつくって股にあてて言った。

 『大きくて、ぐりぐりしてるんです』

 左手で、こぶしをさすりながら大きさを示した。
 漁できたえた YYさんのこぶしは 節くれだって大きい。

 『わたしの左のひざも、ホラ、右と比べて、この分だけ、
 ふくらんどるでしょ。 やっぱりコブになってるんですね。

 こんなのが 体のあちこちにできるんです。 
 今日できたかと思うと、4~5日たつと消えてしまい、
 こんどは別のところにできている。 このくり返しです。

 背中から腰から、足元まで、節々が 痛むんです。
 以前は、吹き出物で 体中が、ぶつぶつになって‥』


カネミ油症、歯のない子どもたち‥ へ つづきます。





【カネミ油症のこと】

カネミ油症関東連絡会 が 発足しました

 







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最終更新日  2013年02月08日 18時31分10秒
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