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テーマ:心のままに独り言(8834)
カテゴリ:カネミ油症のこと
カネミ油症・・・国内最大規模の食品公害とも言われます。 先週の土曜日(1月30日)国はその被害者の子どもの世代への影響を調査する方針を示しました。 科学医療担当の土屋敏之解説委員に聞きます。 土屋さん、カネミ油症について、今ではもうよく知らないという方が増えたかもしれませんね。 そうですね~。特に被害者が九州などに多かったこともあって、東日本ではあまり知られていないという面もあると思います。そもそも、このカネミ油症の原因はPCB(ポリ塩化ビフェニール)という人工の化学物質で無色透明の液体です。で、このPCB、熱に強くて電気を通しにくいなどの性質があることから、かつては、電気設備の絶縁用の油や塗料、インクの用材などに世界で幅広く使われていまして、国内でも5万トン以上が使われたんです。 ところが1968年に、北九州市の企業が製造した米ぬか油を口にしていた人たちに、激しい皮膚炎などの健康被害が多発したんですね。で、まあ、原因はこの食用油の製造設備の方で使われていたPCBが化学変化を起こして、さらに毒性の強いダイオキシン類等ができまして、それが配管から洩れて、食用の米ぬか油の方に混入してしまったためだとされているんです。 で、1972年にPCBの製造自体は中止されたんですが、PCBを含む廃棄物の処理は、有害物質の焼却場の建設に各地で反対運動が起きたことなどから遅れに遅れまして、全国の事業所などに長く残されてきたんです。 で、2000年代に入って、ようやく国が全額出資した無害化処理施設などが造られて、その処理が今も終わらずに続けられている状態です。 今もPCBの処理が終わっていないんですね。 そうなんです。さらに深刻なのが今も健康被害に苦しんでいる人たちがいることです。で、発生当時、患者の全身に黒い吹き出物などの皮膚症状が現れたり、いわゆる黒い赤ちゃんが生まれたことなどが社会に衝撃を与えたんですが、患者の健康被害は全身の倦怠感や痛み、鼻血、咳や痰、手足のしびれ、月経異常など実に多岐にわたるんです。 それほどさまざまな症状が出るのは何故なんですか? はい、九州大学などの研究で、体内の細胞にあるAhRという受容体というんですけど、ダイオキシン類が結びつくと有害な活性酸素などが過剰につくられて、それが全身の組織を傷つけるというメカニズムが徐々に分かってきたんです。 で、すぐに現れる先ほどのような症状だけでなく、ガンや動脈硬化などの長期的なリスクが高いことも報告されているんですね。そして、その治療法は今も確立されていないんです。被害者は半世紀が過ぎた今も、さまざまな病気で苦しんでいます。 被害者の救済や保障というのはどうなっているんでしょうか? それがですね、米ぬか油を製造した会社が資金力に乏しい中小企業であったことなどから、患者の救済がなかなか進みませんでした。 ようやく、2012年になって救済のための法律がつくられまして、国が認定患者に対して毎年、健康実態調査というのを行って、協力した患者さんには支援金として一定額を支払うなどの形が出来てきました。一方で医療費の方は、患者さんが立て替えた医療費をあとから国が負担するなどして、それも国が支援する形になっています。 また、健康被害を届け出た人はおよそ1万4,000人いたともされるのに対して、この救済制度の対象となった認定患者は、すでに亡くなった人も含めて累計で2,350人にとどまっています。 ということは、救済から洩れている人がいるかもしれないというわけですね。 そうなんです。そして、こうした中で先週末、国と原因企業、そして患者の三者による協議の場で、米ぬか油を摂取した本人だけでなく、のちに生まれた子ども世代への健康影響はどうなのかを、今後は国が研究費を出している全国油症治療研究班が調査をするという方針が示されたんです。 で、次世代にしぼった調査が行われるのは初めてのことになります。 被害者の子ども世代にも影響は及んでいるんでしょうか? はい、カネミ油症の被害者には直接汚染された米ぬか油を摂取したり、摂取した女性のお腹に当時いた胎児だけではなくて、何年も後になってから生まれた子どもにも健康影響が出るケースがあるということは以前から知られていました。 で、その原因としては、母親の胎内に残る化学物質が母乳や胎盤を通じて影響した可能性などが考えられていますが、まだはっきりは分かっていないんです。 現在の認定患者の基準は、主にこの米ぬか油を摂取したこと、特徴的な症状があること、そして血中のダイオキシンなどの化学物質の濃度が高いことなどがあるんですね。 しかし、油症の発生から何年も経ってから生まれた子ども世代では、親世代と比べると血中の化学物質濃度は低い場合が多くて、症状は重くても認定されることが少なくて、認定された人は50人ほどにとどまっているんです。 これに対して、去年、被害者の支援団体がアンケートを行ったところ、認定されていない子ども世代の人たちでも、さまざまな健康影響が出ていることがうかがわれました。 これが今回、国の研究班による調査へと踏み出すきっかけのひとつになったんです。 なぜ発生から半世紀以上たって、ようやくこうした調査へと動き出したんでしょうか? そうですね、本人世代への救済制度さえ近年になってようやく出来たということもありますし、もう一つ背景には、被害者が多くの差別や偏見を受けてきたことがあります。たとえば、体調が急に悪化することで、仕事を休まざるをえないということに理解が得られず仕事につけなかったり、あるいは女性が子どもを産むことを否定するような言葉をかけられる。 そしてまた、親がカネミ油症だと分かったとたん、親しかった友人との付き合いが途切れてしまったなどという人もいます。こうしたことから自分がカネミ油症であることを、家族や子どもにも話せないでいる人が少なくないんです。 そのため、これまで次世代への影響を調べることが困難であった面もあるんです。ですので、今後の調査で未解明のカネミ油症の次世代影響へのメカニズムを解明したり、あるいは多くの人の救済につなげていくためにも最初のハードルになるのは、差別や偏見を恐れる患者や子ども世代の人たちから、調査への同意や協力がどれだけ得られるかになると思います。 他にもハードルがあるんでしょうか? はい、かかる時間という問題もあります。被害者が望んでいるのは一刻も早い次世代を含めた救済です。発生から半世紀以上が過ぎましたので、被害者は高齢化が進んで亡くなった人も多いですし、すでに孫世代もいます。 有害な油を直接その人が摂取していないという人がかかえる倦怠感や喘息などのさまざまな症状を、これはカネミ油症によるもの、あるいは、これは違うのかということを窮めることは容易なことではないわけですが、時間は限られていると言えます。 現在の認定基準で重視される一つが、先ほどもも触れたように血中のダイオキシンなどのボウド?だとされるんですが、次世代の人たちはこの価が一般に低いため、症状があっても認定されないケースが大半です。 私が取材した認定患者の娘さんで、その方は認定を受けられていないという方も、次世代調査で血中濃度が低くてもさまざまな健康被害が出ているケースが多くあるということが確かめられれば、それが認定基準の見直しにつながるということを期待しています。 患者への差別や偏見が、被害者をさらに苦しめるというのは、現在の新型コロナウイルスにも通じる問題ですよね。 全くその通りですよね。で、病気になった人は決して非難されるべき存在ではなくて、誰もが同じ立場になり得る、私たちの社会の問題だという認識が共有されることが最終的な解決には欠かせません。 そして、国は深刻な健康被害を受けながら救済から取り残される人がないように、一刻も早い解決に向かうように、取り組みを加速していってほしいと思います。
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最終更新日
2021年02月07日 16時49分09秒
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